転職エージェントを断りたいけれど、どう伝えればよいか分からない。そう感じている方に向けて、そのまま使えるメール例文と、場面ごとの正しい連絡手段をまとめました。
転職エージェントを断ることは、マナー違反ではありません。伝え方さえ押さえれば、担当者との関係を悪くせずに終えられます。
転職エージェントの断り方の結論|「感謝+結論+簡潔な理由」の3行でよい

転職エージェントを断るときは、「これまでの感謝」「断るという結論」「簡潔な理由」の3つを、この順番で伝えれば十分です。長い説明や重ねた謝罪は必要ありません。
具体的には、次の3行がそのまま骨格になります。
- お世話になったお礼を1文で書く
- 「今回は見送らせていただきます」「退会させていただきます」と結論を先に書く
- 理由を1文だけ添える(例:希望する勤務地と合わないため)
この3行に、宛名と署名を付ければ連絡は完成します。断り方で悩む時間の多くは、「理由をどこまで詳しく書くか」に費やされていますが、詳しく書くほど引き止めの余地が生まれます。短く、はっきり伝えるほうが早く終わります。
断ることに罪悪感が不要な理由
転職エージェントを断ることに、罪悪感を持つ必要はありません。求職者が求人の紹介や支援を断ることは、制度上も想定された行動だからです。
転職エージェント(有料職業紹介事業者)は、求人企業から手数料を受け取ることで成り立っています。職業安定法第32条の3では、有料職業紹介事業者が求職者から手数料を徴収することを原則として禁じています(一部の職種を除く例外あり)。つまり、求職者は費用を負担していない立場であり、紹介された求人に応じる義務も、支援を受け続ける義務もありません。
また、求職の申込みは求職者本人の意思にもとづくものです。転職しないと決めること、他のエージェントに切り替えること、活動を中断することは、いずれも求職者が自由に選べます。
断らずに放置した場合に起きること
連絡を返さないまま放置すると、状況はかえって悪くなります。曖昧な状態が続くと、エージェント側は「まだ検討中」と判断して連絡を続けるためです。
放置によって起きやすいのは、次の4つです。
- 求人紹介のメールと電話が減らない
- 希望と合わない求人の検討に時間を取られる
- 本命のエージェントや企業への準備時間が削られる
- 選考中の企業がある場合、企業側の採用スケジュールにも影響する
早めに断ることは、自分の時間を守るだけでなく、担当者と応募先企業の時間も無駄にしない対応です。
転職エージェントを断る5つの場面|求人辞退・面接辞退・内定辞退・担当者変更・退会

転職エージェントを「断る」と言っても、内容は5つに分かれます。どれを断るのかによって、連絡手段も緊急度も変わります。
- 求人辞退:紹介された求人に応募しないと伝える
- 面接・選考辞退:応募済みの選考から降りると伝える
- 内定辞退:出た内定を受けないと伝える
- 担当者変更:サービスは続けるが、担当アドバイザーを替えてもらう
- 退会:エージェントのサービス利用そのものを終了する
場面ごとの連絡手段と目安のタイミング
場面によって、適した連絡手段が違います。企業を巻き込む連絡ほど電話が向いています。
| 場面 | 適した手段 | 連絡の目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 求人辞退 | メール | 紹介を受けて判断できた時点 | 理由を1文添えると次の紹介精度が上がる |
| 面接・選考辞退 | 電話(後でメール) | 決めた当日 | 企業が日程を確保しているため急ぐ |
| 内定辞退 | 電話(後でメール) | 決めた当日 | 企業への連絡はエージェントが行う |
| 担当者変更 | メールまたは問い合わせ窓口 | いつでも | 担当者本人ではなく窓口に送る方法もある |
| 退会 | メール(マイページ手続き併用) | いつでも | 選考中の企業がある場合は先に伝える |
内定辞退は、企業の採用計画に直接影響します。労働契約の観点でも、内定は「入社日を始期とする労働契約」と扱われるのが一般的で、労働者側からの解約は民法第627条第1項にもとづき、申し入れから2週間の経過で終了できると解されています。ただし法律上可能であることと、企業に迷惑がかからないことは別です。決めた時点ですぐ連絡してください。内定辞退の伝え方は「転職内定辞退の正しい方法5選」で詳しく解説しています。
「求人を断る」と「退会する」を混同しない
紹介された求人を断ることと、サービスを退会することは別の手続きです。ここを混同すると、意図しない結果になります。
求人を1件断っただけでは、登録は残り、別の求人紹介は続きます。逆に、求人1件を断る意図で「もう結構です」とだけ伝えると、退会の意思と受け取られることがあります。連絡するときは、「今回の求人だけを見送るのか」「登録自体をやめるのか」を明記してください。
失礼にならない断り方の7つのポイント

どの場面にも共通する、失礼にならない伝え方は7つです。すべて「短く、早く、正直に」に集約されます。
ポイント1:断ると決めたらすぐ連絡する
断ると決めた日のうちに連絡するのが最も丁寧な対応です。返事が遅れるほど、担当者は次の求人を探し、企業は日程を押さえ続けるため、迷惑の総量が増えます。
「どう書くか悩んでいるうちに数日たった」というケースが多く見られます。文面は本記事の例文をそのまま使えば十分なので、悩む時間は不要です。
ポイント2:感謝を先に書く
断りの連絡は、感謝の1文から始めます。結論から入ると事務的な印象になり、断る意図以上に冷たく受け取られやすいためです。
冒頭に使える言い回しは次のとおりです。
- いつもお世話になっております。
- 先日はお時間をいただき、ありがとうございました。
- ご丁寧にご対応いただき、感謝しております。
ポイント3:理由は1文にまとめる
断る理由は1文で足ります。理由を詳しく書くほど、「その条件なら別の求人があります」と引き止めの提案を受けやすくなるためです。
そのまま使える理由の書き方は次のとおりです。
- 希望する勤務地と条件が合わないため
- 現在の職務内容と方向性が異なるため
- 家庭の事情により、転職活動を一度中断するため
- 他社での選考を進めることにしたため
具体的な社名や比較先まで書く必要はありません。
ポイント4:謝罪は一言でよい
謝罪は「恐れ入りますが」「大変申し訳ございませんが」の一言で十分です。断ることは契約違反でも失礼でもないため、繰り返し謝る必要はありません。
謝罪が多い文面は、迷いがあるように読まれ、「もう一度検討しませんか」という提案を招きます。感謝は厚く、謝罪は軽くが基本です。
ポイント5:嘘の理由を使わない
断りやすさを理由に、事実と違う説明をするのは避けてください。「すでに内定が出た」「転職活動をやめた」と伝えて活動を続けると、同じ担当者や同じ企業と再び接点を持ったときに、説明のつじつまが合わなくなります。
転職エージェントは、企業の人事と継続的にやり取りしています。正直に「条件が合わなかった」と伝えるほうが、結果として関係を保てます。
ポイント6:メールと電話を使い分ける
急ぎの用件と、企業が関わる用件は電話。記録を残したい用件はメール。この基準で使い分けます。
- 電話が向くもの:内定辞退、面接の直前キャンセル、当日の予定変更
- メールが向くもの:求人辞退、退会申請、連絡頻度の調整依頼、担当者変更の依頼
電話で伝えた内容は、その後にメールでも送っておくと記録が残ります。「先ほどお電話でお伝えした件です」と一文添えれば十分です。
ポイント7:再開の可能性を一言残す
将来また利用する可能性があるなら、その旨を一言添えます。エージェントは求人情報と企業の内部事情を持っており、数年後に役立つことがあるためです。
「改めて転職を検討する際は、ぜひご連絡させていただきます」の1文で足ります。今後まったく連絡が不要な場合は、この一文は入れないでください。連絡継続の意思と受け取られます。
【場面別】転職エージェントへの断り方メール例文5つ

そのままコピーして使えるメール例文を、場面別に5つ用意しました。〇〇の部分だけを書き換えてください。
例文1:紹介された求人を辞退する
件名:ご紹介いただいた求人について(〇〇/自分の氏名)
〇〇様
いつもお世話になっております。〇〇(自分の氏名)です。
先日ご紹介いただきました〇〇株式会社の求人につきまして、今回は応募を見送らせていただきたく、ご連絡いたしました。
勤務地が希望するエリアと異なるためです。
お手数をおかけし恐れ入りますが、引き続き〇〇エリアでの求人がございましたら、ご紹介いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
〇〇(自分の氏名)
例文2:面接・選考を辞退する
件名:選考辞退のご連絡(〇〇株式会社/自分の氏名)
〇〇様
お世話になっております。〇〇(自分の氏名)です。
〇〇株式会社の選考につきまして、誠に恐れ入りますが、今回は辞退させていただきたく存じます。
自身のキャリアの方向性を改めて検討した結果、応募職種と合致しないと判断したためです。
日程を調整いただいたにもかかわらず、このようなご連絡となり恐縮です。企業様へのご連絡もお願いできますでしょうか。
引き続きよろしくお願いいたします。
〇〇(自分の氏名)
選考辞退は、決めた当日に電話で伝えたうえで、このメールを送るのが確実です。
例文3:内定を辞退する
件名:内定辞退のご連絡(〇〇株式会社/自分の氏名)
〇〇様
大変お世話になっております。〇〇(自分の氏名)です。
このたび〇〇株式会社より内定をいただきましたが、熟考の結果、今回は辞退させていただくことにいたしました。
〇〇様に多くのお時間とご尽力をいただきながら、このような結論となり、誠に申し訳ございません。
面接の日程調整から選考のアドバイスまで、丁寧にご支援いただきましたことに、心より感謝申し上げます。
企業様へのご連絡につきまして、ご対応をお願い申し上げます。
〇〇(自分の氏名)
例文4:担当者の変更を依頼する
件名:担当者変更のご相談
〇〇(エージェント名)カスタマーサポート ご担当者様
お世話になっております。〇〇(自分の氏名)です。
現在ご担当いただいている〇〇様には、丁寧にご対応いただき感謝しております。
そのうえで恐れ入りますが、担当者の変更をご検討いただくことは可能でしょうか。
希望条件を改めて整理したうえで、別の視点からご提案をいただきたいと考えているためです。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
〇〇(自分の氏名)
担当者への不満が理由であっても、個人を批判する表現は書かないでください。多くのエージェントは問い合わせ窓口を用意しており、担当者本人を経由せずに変更を依頼できます。
例文5:サービスを退会する
件名:退会のご連絡(〇〇/自分の氏名)
〇〇様
お世話になっております。〇〇(自分の氏名)です。
これまで丁寧にご支援いただきましたが、一身上の都合により転職活動を一度中断することといたしました。
つきましては、貴社サービスの登録を退会させていただきたく、ご連絡いたしました。現在進行中の選考はございません。
在職中の限られた時間のなかで、こまやかにご対応いただきましたことに感謝申し上げます。
〇〇(自分の氏名)
選考中の企業がある場合は、「〇〇株式会社の選考を辞退したうえで、退会をお願いいたします」と明記してください。書かないまま退会すると、選考の扱いが宙に浮きます。
しつこい電話・メールを止める断り方

連絡を止めたい場合は、「今は不要」「今後の連絡は不要」という2点を、はっきり言い切ってください。「検討します」「また連絡します」という返答を続けている限り、連絡は止まりません。
電話でその場で伝える文例
電話がかかってきたときは、その場で終わらせるのが最短です。次のように伝えてください。
「お電話ありがとうございます。現在は転職活動を見合わせておりますので、今後のご連絡は不要です。活動を再開する際は、こちらから改めてご連絡いたします。よろしくお願いいたします。」
「今は忙しいので」「また改めて」は再連絡の理由になります。使わないでください。
それでも連絡が止まらないときの対処法
明確に断ったあとも連絡が続く場合は、順番に次の対応を取ります。
- メールで「〇月〇日に退会と連絡不要の旨をお伝えしました。以降のご連絡はお控えください」と、日付を入れて再送する
- 会員マイページから退会手続きとメール配信停止を完了させる
- 個人情報の利用停止・消去を書面またはメールで請求する
- それでも改善しない場合は、消費者ホットライン「188」(局番なし)に相談する
個人情報の利用停止や消去は、個人情報の保護に関する法律第35条にもとづき、本人が事業者に対して請求できると定められています。事業者ごとに受付窓口が異なるため、各社のプライバシーポリシーに記載された連絡先を確認してください。
なお、消費者ホットライン188は、最寄りの消費生活センター等につながる全国共通の電話番号です(消費者庁)。
断った後にやること・やってはいけないこと

断りの連絡を送ったら、それで終わりではありません。登録情報とメール配信の設定を片付けておくと、後から連絡が復活するのを防げます。
退会後に済ませておく4つの手続き
- 会員マイページの退会手続きを最後まで完了させる(メール連絡だけでは登録が残る場合がある)
- メールマガジン・求人配信の停止設定を行う
- 履歴書・職務経歴書などのアップロード済みファイルを削除する
- 気になる場合は、個人情報の利用停止・消去を請求する
エージェントは職業紹介の記録を一定期間保管しています。職業安定法にもとづく事業運営上、求人・求職の管理簿の保存が求められているためで、退会と同時にすべてのデータが即消えるわけではありません。保存期間や削除の可否は事業者ごとに異なるため、各社の規約を確認してください。
断った後のNG行動4つ
- 選考中の企業に、エージェントを通さず直接連絡する
- 退会後すぐに同じエージェントへ別アカウントで再登録する
- 断る連絡のなかで担当者を批判する、感情的な表現を使う
- 社名や担当者名を挙げてSNSに不満を投稿する
とくに、選考中の企業への直接連絡は避けてください。企業とエージェントの間には紹介契約があり、応募経路が混乱すると選考自体が止まることがあります。
エージェントとの相性が合わないだけで転職そのものをやめる必要はありません。担当者変更で解決しない場合は、別のエージェントに切り替える方法もあります。選び方は「転職エージェントおすすめ7選」を参考にしてください。初回面談で希望条件を正確に伝えられれば、そもそも断る場面自体が減ります。準備の方法は「転職エージェント面談で成功する7つのコツ」で解説しています。
断り方に迷ったら、無料の転職相談で整理する

断るかどうか自体に迷っている場合は、断り方より先に「何を優先したいのか」を整理したほうが早く解決します。紹介された求人を断るべきか、担当者を替えるべきか、活動そのものを止めるべきかは、条件の優先順位が決まっていれば自然に決まるためです。
UNLITD CAREER を運営する株式会社アンリット(有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-319937)では、無料の転職相談を受け付けています。
- 今の担当者に伝えるべきか、変更を依頼すべきか判断できない
- 複数のエージェントを整理したいが、どれを残すか決められない
- 内定を辞退するか迷っており、判断材料が足りない
こうした状態のまま連絡を先延ばしにすると、企業の選考スケジュールにも影響します。転職するかどうかが決まっていない段階でも構いませんので、一度ご相談ください。
なお、退職が決まっている場合は、断りの連絡と並行して退職手続きの準備も必要です。手順は「転職・退職手続きの流れ7ステップ」にまとめています。
転職エージェントの断り方に関するよくある質問
メールだけで断っても大丈夫ですか
求人辞退・退会・担当者変更であれば、メールだけで問題ありません。記録が残るため、後から「聞いていない」という食い違いも防げます。
一方、内定辞退と面接の直前キャンセルは電話を推奨します。企業の予定に直接関わり、当日中に伝わる必要があるためです。電話のあとにメールを送れば、記録も残せます。
断る理由を追及されたらどう答えますか
「条件が合わなかったため」の一言で十分です。求職者に、理由を詳しく説明する義務はありません。
深掘りされた場合は、「現時点ではこれ以上お伝えできることがありません」と伝えて構いません。理由を細かく話すほど、別提案での引き止めにつながります。
一度断ったエージェントに再登録できますか
再登録は可能です。多くのエージェントは、退会後の再登録を制限していません。
その際は、「以前は勤務地の条件が合わず一度お休みしていましたが、状況が変わったため再開したい」と、経緯を正直に伝えてください。前回の記録が残っている場合があり、説明が食い違うと信頼を損ないます。
複数のエージェントをまとめて断るときはどうしますか
1社ずつ個別に連絡してください。同じ文面で構いませんが、宛名・会社名・紹介を受けた求人名だけは書き換えます。
複数社に同じメールを一斉送信するのは避けてください。宛先が他社に見える形で送ると、個人情報と選考状況が外部に伝わる可能性があります。
選考が進んでいる途中でも退会できますか
退会できます。ただし、選考中の企業がある場合は、退会の前に選考辞退の意思を伝えてください。
選考辞退を伝えないまま退会すると、企業側は連絡が取れない状態で日程を確保し続けることになります。退会メールに「〇〇株式会社の選考を辞退したうえで退会を希望します」と明記するのが確実です。
断った後に個人情報は削除されますか
退会しても、登録情報がその場ですべて消えるとは限りません。職業紹介事業者は求人・求職の管理記録を一定期間保管しており、保存期間や運用は事業者ごとに異なります。
削除を希望する場合は、個人情報の保護に関する法律第35条にもとづく利用停止・消去の請求を、各社のプライバシーポリシーに記載された窓口に行ってください。法令上、保存が義務づけられている記録は削除できない場合があります。
まとめ|転職エージェントの断り方は3行で足りる

転職エージェントの断り方は、「感謝」「結論」「簡潔な理由」の3行で完成します。長い説明も、繰り返しの謝罪も必要ありません。
この記事の要点は次のとおりです。
- 求職者は手数料を負担しておらず、紹介を断ることも退会することも自由に選べる
- 「求人辞退」「選考辞退」「内定辞退」「担当者変更」「退会」は別の手続きなので、どれを指すか明記する
- 内定辞退と直前の面接キャンセルは電話、それ以外はメールでよい
- 理由は1文でよく、嘘の理由は使わない
- 連絡を止めたいときは「今後の連絡は不要です」と言い切る
- 退会後は、マイページの退会手続きと配信停止まで済ませる
断りの連絡は、早いほど文面が短くて済みます。今日中に決めて、今日中に送ってください。
CAREER



