転職の履歴書に書く志望動機の書き方|構成・7つのポイント・例文

転職の履歴書に書く志望動機は「なぜこの会社か・なぜ今か・何ができるか」に答える構成が基本です。4段落の型、書き方の7つのポイント、営業・事務・ITの例文、避けたいNG表現と直し方、貴社と御社の使い分けまで解説します。

転職の履歴書に書く志望動機は、「なぜこの会社なのか」「なぜ今転職するのか」「入社後に何ができるのか」の3点に答える構成にすると、採用担当者に伝わりやすくなります。

この記事では、転職の志望動機の基本構成、書くときの7つのポイント、職種別の例文、避けたいNG表現と直し方、提出前のチェックリストを順に解説します。

転職の履歴書における志望動機とは?採用担当者が見ている3つの点

転職履歴書の志望動機を審査する採用担当者

転職の履歴書における志望動機とは、「なぜその会社に入りたいのか」を、前職の経験と結びつけて説明する文章です。採用担当者は志望動機を読んで、「なぜ自社なのか」「なぜ今なのか」「入社後に何ができるのか」の3点を確認しています。

採用担当者が志望動機で確認している内容は、主に次の4つです。

  • 応募者が自社の事業や仕事内容を理解しているか
  • 長く働いて活躍してくれる人材か
  • 入社後に「思っていた仕事と違う」というミスマッチが起きないか
  • 前職の経験を自社で活かせるか

志望動機は「やる気のアピール」ではなく、「なぜあなたが、なぜ今、この会社でなければならないのか」を筋道立てて説明する欄です。

新卒の志望動機との違い

転職の志望動機が新卒と違う点は、「前職を辞める理由」と「この会社を選ぶ理由」の両方を説明する必要があることです。新卒採用では将来の可能性を中心に書けますが、転職では実績・スキル・転職理由という具体的な事実が求められます。

特に難しいのが退職理由の扱いです。「人間関係がつらかった」「給与が低かった」といった本音をそのまま書くのは避けつつ、事実と矛盾しない前向きな理由に言い換える必要があります。言い換えの具体例は、この記事の「ポイント3:退職理由を前向きな言葉に言い換える」で紹介します。

採用担当者が確認している3つの要素

採用担当者が志望動機で確認している要素は、「具体性」「一貫性」「熱意」の3つです。

要素 確認されている内容 満たしている例
具体性 会社名を変えても通用する文章になっていないか 「貴社の〇〇事業の△△に携わりたい」と事業名まで書いている
一貫性 前職の経験や志向と、応募先の仕事がつながっているか 前職の課題解決型の営業経験を、応募先の提案型営業に活かすと説明している
熱意 形式的な文章ではなく、本当に入社したい気持ちが伝わるか 応募先を知ったきっかけや共感した理由が、自分の言葉で書かれている

この3つの要素を満たす志望動機は、採用担当者が「この人に会って話を聞きたい」と判断する材料になります。

転職の志望動機の基本構成:4段落で書く

PASOナフレームワークの図解

転職の志望動機は、「前職で感じた課題」「応募先を選んだ理由」「自分が貢献できること」「入社後にやりたいこと」の4段落で構成すると、筋道の通った文章になります。この構成は、マーケティングの文章作成で使われるPASONAというフレームワークを、志望動機向けに応用したものです。

PASONAフレームワークとは

PASONA(パソナ)とは、読み手の課題を提示し、共感を示したうえで解決策を示し、行動を促す文章構成のフレームワークです。次の6つの要素の頭文字を取っています。

  • P(Problem):問題・課題の提示
  • A(Affinity):親近感・共感
  • S(Solution):解決策の提示
  • O(Offer):提案
  • N(Narrow down):絞り込み
  • A(Action):行動

志望動機に当てはめると、「現状の課題」「なぜこの会社か」「自分の経験で解決できること」「入社後の具体的な貢献」という流れになります。

4段落の型と各段落に書く内容

段落 PASONAの要素 書く内容 書き方の例
第1段落 Problem 現在の職場や業界で感じている課題・限界 「現職では既存顧客への定型的な提案が中心で、課題解決型の提案に取り組む機会が限られています」
第2段落 Affinity / Solution 応募先を知ったきっかけ、魅力や共感した点 「貴社の〇〇事業が△△に取り組んでいることを知り、〜」
第3段落 Offer / Narrow down 自分のスキル・経験で貢献できること 「前職で〇〇を担当した経験を活かし、〜」
第4段落 Action 入社後にやりたいこと・将来像 「入社後は〇〇部門で△△に取り組み、〜」

履歴書の志望動機欄は文字数が限られるため、第2段落(なぜこの会社か)と第3段落(何ができるか)に多めに文字数を使います。

採用担当者に伝わる志望動機の書き方7つのポイント

採用される7つのポイントチェックリスト

採用担当者に伝わる志望動機を書くポイントは、「応募先ならではの理由を書く」「実績を数字で示す」「退職理由を前向きに言い換える」「入社後の貢献を具体的に書く」「文字数を欄に合わせる」「貴社と御社を使い分ける」「誤字脱字と表記を整える」の7つです。順に説明します。

ポイント1:企業研究で「この会社ならでは」の理由を書く

志望動機で最も重要なのは、「なぜ他社ではなくこの会社なのか」を、応募先の事業や取り組みを挙げて具体的に書くことです。「貴社の事業に魅力を感じました」という表現だけでは、会社名を入れ替えればどこにでも使えるため、採用担当者の印象に残りません。

企業研究では、次の情報を調べて志望動機に反映します。

  • 事業内容、主力商品・サービス
  • 経営理念、ビジョン、社風
  • 最近のニュース、新規事業、力を入れている分野
  • 競合他社との違い

書き方の例:「貴社の〇〇事業が昨年から△△に取り組んでいることを知り、私の□□の経験を活かせると考えました」

企業研究の具体的な進め方は「転職の企業研究の方法7選」で解説しています。応募先ごとに「この会社専用」の内容を書いてください。

ポイント2:前職の実績を具体的な数字で示す

前職の実績は、「営業成績を向上させた」ではなく「営業成績を前年比130%に伸ばした」のように、数字で示すと説得力が増します。数字は、採用担当者が実績の大きさを客観的に判断できる材料になるためです。

数字で示せる実績の例は次のとおりです。

  • 売上目標の達成率(例:目標の120%を達成)
  • 担当した顧客数、プロジェクト数
  • コスト削減額、業務時間の削減率
  • マネジメントした人数

数字で示しにくい職種の場合は、「工夫した点と、その結果どう変わったか」を具体的に書きます。

ポイント3:退職理由を前向きな言葉に言い換える

退職理由は、「〜が嫌だった」ではなく「〜をしたかった」という前向きな表現に言い換えて書きます。ただし、事実と異なる理由を作るのは避けてください。面接で深掘りされたときに、履歴書の内容と矛盾が出るためです。

本音の退職理由 志望動機での言い換え例
給与が低い 成果やスキルが正当に評価される環境で働きたい
上司との関係が悪い 風通しの良い組織で、チームとして成果を出したい
残業が多い 業務の効率化と自己研鑽を両立できる環境を求めている

言い換えのコツは、「不満」を「実現したいこと」に置き換えることです。面接で退職理由を聞かれたときの答え方は「転職面接での退職理由の言い方」で例文を紹介しています。

ポイント4:入社後の貢献を「何を使って・どのように・いつまでに」で書く

志望動機の後半には、「前職の〇〇の経験を活かし、入社後は貴社の△△部門で□□に貢献したい」のように、入社後に何をするかを具体的に書きます。採用担当者が最も知りたいのは、「この人が入社したら何をしてくれるのか」だからです。

書き方の例は次のとおりです。

  • 「前職での法人営業の経験を活かし、入社後は貴社の〇〇部門で既存顧客の深耕に貢献したいと考えています」
  • 「3年以内に〇〇の資格を取得し、より専門性の高い業務を担当したいと考えています」

「貢献したいです」だけで終わる文章は、何をするのかが伝わりません。「何を使って」「どのように」「どれくらいの期間で」の3点を意識して書きます。

ポイント5:文字数は志望動機欄の大きさに合わせる

履歴書の志望動機は、欄の大きさに合わせて300〜400字程度にまとめるのが一般的な目安です(要確認)。短すぎると熱意や具体性が伝わらず、長すぎると欄に収まらないか、読みにくくなります。

書類ごとの文字数の目安は次のとおりです(要確認)。

書類 文字数の目安 書き方
履歴書 300〜400字 核心を簡潔にまとめる
職務経歴書 500〜800字 実績やエピソードを詳しく書ける
応募フォーム 指定がなければ400〜600字 指定文字数がある場合はそれに従う

文字数が足りない場合は、企業研究で見つけた具体的なエピソードを追加します。文字数が多すぎる場合は、「なぜこの会社か」「何ができるか」以外の部分から削ります。

なお、履歴書の様式は法律で定められておらず、厚生労働省が2021年に公表した「履歴書様式例」や市販・転職サイトのフォーマットによって志望動機欄の大きさは異なります。応募先から様式の指定がある場合は、それに従ってください。

ポイント6:履歴書では「御社」ではなく「貴社」を使う

履歴書では、応募先の会社を「貴社」と書きます。「御社」は面接などの話し言葉で使う表現のため、書き言葉である履歴書に書くのは誤りです。

使う場面 表現
履歴書・職務経歴書・メール(書き言葉) 貴社
面接・電話(話し言葉) 御社

応募先が株式会社などの会社以外の組織の場合は、次のように書き分けます。

  • 銀行:貴行
  • 病院・医療機関:貴院
  • 学校・大学:貴校・貴学
  • 財団法人・社団法人:貴財団・貴法人

ポイント7:誤字脱字と表記の統一を確認する

提出前に、誤字脱字と表記の統一を必ず確認します。内容が良くても、誤字や表記のばらつきがあると「確認を怠る人」という印象を与えるためです。

確認する項目は次のとおりです。

  • 誤字・脱字がないか
  • 数字の全角・半角が統一されているか
  • 句読点の使い方が統一されているか
  • 企業名・部署名・事業名が正式表記になっているか
  • 日付の表記(西暦か和暦か)が履歴書全体で統一されているか

自分では気づきにくいミスは、家族や友人、転職エージェントの担当者など第三者に読んでもらうと見つかりやすくなります。志望動機以外も含めた履歴書全体の注意点は「転職履歴書のNG項目10選」にまとめています。

職種別:転職の履歴書に書く志望動機の例文3つ

職種別・業界別志望動機例文テンプレート

志望動機の例文を、営業職・事務職・ITエンジニアの3職種で紹介します。いずれも架空の例文のため、そのまま使うのではなく、数字や事業内容を自分の経験と応募先に合わせて書き換えてください。

例文1:営業職への転職

前職では5年間、医療機器メーカーで法人営業を担当し、年間売上3億円の目標を3期連続で達成してきました。この経験を通じて、顧客の課題を聞き取り解決策を提案する、課題解決型営業のスキルを磨いてまいりました。貴社は〇〇分野での提案型営業に力を入れていると伺っており、私のこれまでの経験と貴社の営業スタイルには高い親和性があると考えています。入社後は、既存顧客のさらなる深耕と新規開拓の両面でチームに貢献したいと考えています。

この例文のポイントは次の2つです。

  • 「5年間」「3億円」「3期連続」と、数字で実績を示している
  • 応募先の営業スタイル(提案型営業)と自分の経験(課題解決型営業)のつながりを説明し、入社後の貢献を具体的に書いている

例文2:事務職への転職

前職では総務部門で3年間、書類管理・スケジュール調整・来客対応などの業務を担当してきました。業務効率化のためにExcelマクロを自己学習し、月次報告書の作成時間を50%削減した実績があります。貴社の求人票で「ITリテラシーの高い事務スタッフを求めている」との記載を拝見し、私のスキルを直接活かせると考え応募しました。入社後は、これまでの経験とITスキルを活かし、バックオフィス業務のさらなる効率化に貢献したいと考えています。

この例文のポイントは次の2つです。

  • 事務職でも「作成時間を50%削減」と数字で実績を示している
  • 求人票の記載を引用し、応募先が求める人物像と自分の強みを結びつけている

例文3:ITエンジニアへの転職

前職では3年間、Webシステムの開発・保守に携わり、主にJavaとPythonを使ったバックエンド開発を担当してきました。直近1年は、マイクロサービスアーキテクチャへの移行プロジェクトをリードし、システムの処理速度を40%向上させました。貴社はAI・機械学習分野の開発に積極的に投資しており、技術力を重視する企業文化に強く惹かれています。入社後はPythonの経験を活かしてAIプロダクトの開発に携わり、2年以内に機械学習エンジニアとしてのキャリアを確立したいと考えています。

この例文のポイントは次の2つです。

  • 使用言語と担当領域を明記し、応募先の技術領域との接点を示している
  • 「2年以内に機械学習エンジニアとして」と、期間を区切った将来像を書いている

転職の志望動機でよくあるNG例と直し方

志望動機のよくある失敗例とNG表現

転職の志望動機で避けたいのは、「企業ホームページの内容をなぞっただけの文章」「給与や待遇への言及」「学びたい・成長したいという受け身の表現」の3つです。それぞれ、なぜ評価されにくいのかと直し方を説明します。

NG例1:会社案内に書いてある内容しか書いていない

NG例:「貴社は業界でトップクラスのシェアを持ち、社員の働き方改革にも積極的に取り組んでいると聞き、応募しました」

この文章は、企業ホームページに載っている情報を書き写しただけで、応募者自身の経験や考えが入っていません。採用担当者には「誰でも知っている情報」と受け取られます。

直し方は、ホームページの情報に「自分の経験とどうつながるか」を加えることです。情報源をニュースリリース、決算説明資料、社員インタビューなどに広げると、応募先ならではの点が見つかりやすくなります。

NG例2:給与・待遇・福利厚生を志望理由にしている

NG例:「貴社は給与水準が業界平均より高く、福利厚生も充実しているため志望しました」

給与や待遇を志望理由に書くと、「条件の良い会社があればまた転職する」と受け取られる可能性があります。年収アップが転職の目的であっても、志望動機には仕事内容・会社の方針への共感・自分が貢献できることに絞って書きます。

なお、給与や労働時間などの労働条件は、職業安定法第5条の3により、求人者が求職者に明示することを義務付けられています。待遇面は志望動機に書くのではなく、求人票で確認し、面接や内定後の条件交渉の場で話す内容として切り分けてください。

NG例3:「学びたい」「成長したい」という受け身の表現

NG例:「貴社で多くのことを学びたいです」「貴社でスキルアップしたいと思っています」

「学びたい」だけの表現は、会社を「学びの場」として見ている印象を与えます。採用担当者が知りたいのは「この人は会社に何をもたらしてくれるのか」だからです。

直し方は、「〇〇の経験を活かして△△に貢献したい」という、自分から働きかける表現に変えることです。成長したい気持ちを書く場合は、「□□の業務で成果を出しながら、〇〇の専門性を高めたい」のように、貢献と成長をセットにして書きます。

転職の履歴書の志望動機:提出前チェックリスト

転職志望動機のよくある質問Q&A

提出前に、次の5項目を確認してください。すべてに「はい」と答えられれば、この記事で解説した7つのポイントを押さえた志望動機になっています。

  1. 会社名を変えると通用しなくなる内容になっているか(応募先ならではの理由があるか)
  2. 具体的な数字やエピソードで実績を示しているか
  3. 入社後に何をするかが書かれているか
  4. 志望動機欄の大きさに合った文字数になっているか
  5. 「貴社」を使い、誤字脱字・表記のばらつきがないか

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転職志望動機まとめ・成功への道

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転職の履歴書の志望動機に関するよくある質問

履歴書と職務経歴書の志望動機は同じ内容でよいですか?

方向性は同じで構いませんが、文章を完全に同一にするのは避けてください。履歴書には核心を簡潔に、職務経歴書には実績やエピソードを詳しく書き、互いに補い合う内容にするのが一般的です。採用担当者は両方の書類を見るため、まったく同じ文章だと「使い回し」と受け取られる可能性があります。職務経歴書の書き方は「転職職務経歴書テンプレ7選」で解説しています。

未経験の職種に応募する場合、志望動機には何を書けばよいですか?

未経験職種への応募では、「その職種に転換しようと思った具体的なきっかけ」「前職の経験のうち応募職種に活かせるもの」「自己学習や資格取得など入社前の準備」の3点を中心に書きます。未経験であること自体を隠す必要はなく、「なぜ今なのか」と「どんな準備をしているか」を具体的に書きます。

複数の会社に応募する場合、志望動機は会社ごとに変えるべきですか?

会社ごとに書き換えてください。自分の強みや転職理由の部分は共通でも構いませんが、「なぜこの会社か」の部分は応募先ごとに書き直します。企業名・事業名・最近の取り組みへの具体的な言及があると、「調べて書いた志望動機」だと採用担当者に伝わります。

志望動機が思いつかないときはどうすればよいですか?

志望動機が思いつかない場合は、「前職で感じた課題」と「応募先の特徴」を別々に書き出し、共通点を探す方法が有効です。課題の裏返しが「実現したいこと」になり、応募先の特徴のうちそれを実現できる点が「なぜこの会社か」になります。

志望動機に転職理由(退職理由)は書くべきですか?

転職の志望動機には、退職理由を「前職で感じた課題」として簡潔に含めるのが一般的です。ただし、不満をそのまま書くのではなく、「〜を実現したい」という前向きな表現に言い換えます。詳しい退職理由は面接で聞かれることが多いため、履歴書では1〜2文にとどめ、志望理由と貢献できることに文字数を使います。

志望動機の書き出しはどう書けばよいですか?

書き出しは、結論から書くのが基本です。「私が貴社を志望する理由は、〇〇の経験を活かして△△に貢献できると考えたためです」のように、最初の1文で「なぜこの会社か」を示し、そのあとに理由と経験を続けます。前置きや自己紹介から始めると、限られた文字数の中で核心が後回しになります。

履歴書の志望動機欄が小さい場合はどうすればよいですか?

欄が小さい場合は、「なぜこの会社か」と「入社後に貢献できること」の2点に絞って書きます。前職の課題や将来像は職務経歴書に書くか、面接で補足します。