転職の履歴書で落とされる主な原因は、経歴の良し悪しよりも「基本的なミス」と「内容の薄さ」です。この記事では、転職の書類選考でマイナス評価につながりやすい履歴書のNG項目を10個に整理し、採用担当者がそう判断する理由と直し方を解説します。提出前に使えるチェックリストと、職種別に起きやすいNGもまとめました。
転職履歴書のNG項目10選【一覧】

転職履歴書のNGは、「形式・体裁のNG」と「内容のNG」の2種類に分けられます。形式のNGは注意力を疑われ、内容のNGは意欲や適性を疑われます。まず、10項目を一覧で確認してください。
| No. | NG項目 | 種類 | 採用担当者が抱く印象 |
|---|---|---|---|
| 1 | 証明写真が古い・自撮り・私服 | 形式 | 応募への真剣度が低い |
| 2 | 日付・年齢の記載ミス、西暦と和暦の混在 | 形式 | 基本的な確認ができていない |
| 3 | 誤字脱字・変換ミス・社名の誤り | 形式 | 仕事でも同じミスをしそう |
| 4 | レイアウト崩れ・枠からのはみ出し | 形式 | 読みにくい、雑 |
| 5 | 修正テープ・消えるボールペンの使用 | 形式 | 公式書類への意識が低い |
| 6 | どの会社にも当てはまる志望動機 | 内容 | 本当に入社したいのか分からない |
| 7 | 職歴と志望動機がつながっていない | 内容 | 転職の理由に説得力がない |
| 8 | 数字や事実のない自己PR | 内容 | 実力の程度を判断できない |
| 9 | ネガティブな転職理由をそのまま書く | 内容 | 同じ理由でまた辞めそう |
| 10 | 無関係な資格の羅列・スキルの過大申告 | 内容 | 職種理解が浅い、信用できない |
履歴書とは、氏名・学歴・職歴・資格・志望動機などの基本情報を、定型の様式にまとめた応募書類です。職務経歴書が「これまで何をしてきたか」を自由形式で詳しく伝える書類であるのに対し、履歴書は「基本情報を正確に、簡潔に」伝える書類です。この役割の違いから、履歴書では内容の正確さと体裁の丁寧さが特に重視されます。
形式・体裁のNG5つと直し方

形式・体裁のNGは、内容を読んでもらう前に評価を下げる要因です。どれも提出前の確認で防げるため、最初につぶしておきましょう。
NG1:証明写真が古い・自撮り・私服
証明写真は、現在の姿を写した、写真館か証明写真機で撮影したものを使います。スマートフォンの自撮りやスナップ写真の切り抜きは、応募への真剣度を疑われる原因になります。
撮影時の目安は次のとおりです。
- 背景は白か薄いグレー
- 服装はスーツなど、応募先の職場にふさわしい服装
- 表情は口を閉じた自然な微笑み
- 撮影から時間が経ちすぎていないもの(一般には3か月以内が目安とされます。要確認)
写真館で撮影すると、照明や姿勢を調整してもらえます。費用はかかりますが、複数社に応募するなら同じデータを使い回せるため、転職活動の最初に1回撮っておくと効率的です。
NG2:日付・年齢のミス、西暦と和暦の混在
履歴書の日付は提出日(郵送なら投函日、持参なら持参日、Web応募なら送信日)を書き、年齢は提出日時点で計算します。生年月日・学歴・職歴の年号は、西暦か和暦のどちらかに統一してください。
同じ書類の中で「2020年」と「令和2年」が混在すると、それだけで確認不足の印象を与えます。年号の換算に自信がなければ、西暦に統一するのが最も間違いにくい方法です。
NG3:誤字脱字・変換ミス・社名の誤り
誤字脱字は「確認が甘い」「仕事でも同様のミスをしそう」という評価に直結します。特に多いのは、パソコン作成時の同音異義語の変換ミス(例:「以上」が「移譲」になる)と、応募先の社名・部署名の誤りです。
社名は「株式会社」の位置(社名の前か後か)まで正確に書き、「(株)」のような略称は使いません。前職の社名も正式名称で書き、合併や社名変更があった場合は「現〇〇株式会社」と補足すると親切です。
NG4:レイアウト崩れ・枠からのはみ出し・文字サイズの不統一
パソコンで作成した場合は、PDFに変換した後の表示を必ず確認します。手書きの場合は、枠に収まる文字数を先に見積もり、文字の大きさをそろえて書きます。
作成した端末では整って見えても、PDF化やスマートフォン表示でずれているケースがあります。提出前に一度、別の端末やスマートフォンでPDFを開いて確認してください。
NG5:修正テープ・修正液・消えるボールペンの使用
履歴書は、応募者本人が内容の正しさを保証する書類です。修正テープや修正液で直した跡は、改ざんの疑いと雑な印象を与えるため、書き損じたら新しい用紙に書き直します。
摩擦で消えるインクのボールペンも使いません。熱で文字が消える可能性があり、保管される書類に適さないためです。書き直しの手間を減らしたいなら、パソコンで作成してPDFで提出する方法が最も安全です。応募先が手書きを指定していない限り、パソコン作成が不利になることは基本的にありません。
内容のNG5つと直し方

内容のNGは、形式が整っていても「会ってみたい」と思われない原因になります。5つに共通する直し方は、「応募先に合わせて、具体的に書く」ことです。
NG6:どの会社にも当てはまる志望動機
「御社の理念に共感した」「成長できる環境に魅力を感じた」だけの志望動機は、社名を入れ替えても成立するため、使い回しと判断されます。志望動機には、応募先固有の事業・商品・方針と、自分の経験や目標との接点を書きます。
応募先固有の情報は、採用ページだけでなく、公式サイトのニュースリリース、代表メッセージ、上場企業であればIR情報から集められます。企業研究の進め方は「転職の企業研究の方法7選」で、志望動機の書き方と例文は「転職履歴書の志望動機の書き方完全ガイド」で詳しく解説しています。
NG7:職歴と志望動機がつながっていない
職歴でアピールしている内容と志望動機の方向性が食い違うと、転職の理由に説得力がなくなります。営業の実績を強調しながら「クリエイティブな仕事がしたい」とだけ書くのが典型例です。
未経験の職種に応募する場合は、これまでの経験のうち応募職種に生きる部分を「橋渡し」として書きます。「なぜ転職するのか」「なぜこの会社なのか」「これまでの経験がどう生きるのか」の3点が一本の線でつながっているかを確認してください。
NG8:数字や事実のない自己PR
「営業成績が優秀だった」「チームをまとめた経験がある」という表現だけでは、採用担当者は程度を判断できません。自己PRは「強み」「その強みを発揮した実績」「入社後の貢献」の3点で構成し、実績は数字や事実で書きます。
例文の形は次のとおりです。
- 強み:私の強みは問題解決力です
- 実績:前職でシステム障害が発生した際、原因を特定して4時間で復旧させました
- 貢献:御社でも突発的なトラブル対応や業務改善に貢献できると考えています
数字が出しにくい職種でも、「担当件数」「期間」「関わった人数」「改善した業務」など、事実で示せる要素はあります。履歴書の自己PR欄は文字数が限られるため、詳細は職務経歴書に書き、履歴書には要点だけを書く分担が有効です。書き方は「転職職務経歴書の自己PR完全ガイド」を参考にしてください。
NG9:ネガティブな転職理由をそのまま書く
「残業が多かった」「人間関係が悪かった」という理由をそのまま書くと、「同じ理由でまた辞めるのではないか」と判断されます。転職理由は、事実を偽らずに「次の職場で実現したいこと」に言い換えて書きます。
| そのままの表現 | 言い換えの例 |
|---|---|
| 残業が多くて体力的につらかった | 業務効率化や働き方の改善に取り組める環境を求めて |
| 評価に納得できなかった | 成果が評価に反映される環境で力を試したい |
| 人間関係が悪かった | チームで協力して成果を出す働き方を希望して |
言い換えは、嘘をつくことではありません。面接で退職理由を深掘りされたときに、同じ内容を落ち着いて説明できる範囲にとどめてください。
NG10:無関係な資格の羅列・スキルの過大申告
資格・スキル欄には、応募職種に関連するものを優先して書きます。関係のない資格を並べても評価は上がらず、職種理解が浅い印象になります。
スキルの過大申告は、さらに危険です。IT職なら技術面接、事務職なら実務テストで実力はすぐに分かります。また、履歴書の虚偽記載は入社後に経歴詐称として問題になり、多くの企業では就業規則で懲戒事由と定められているため、内定取り消しや懲戒の対象となる場合があります(要確認)。「業務で使用」「独学で学習中」のように、習熟度を正直に区別して書いてください。
採用担当者が転職履歴書で見ている3つのポイント

採用担当者は、短い時間で「面接で会う価値があるか」を判断します。判断材料は主に、第一印象、内容の一貫性、記述の具体性の3つです。NG項目10選は、いずれもこの3つのどれかを損なうものです。
第一印象:清潔感と丁寧さ
写真、レイアウト、文字の整い方で、内容を読む前の印象が決まります。NG1〜NG5の形式ミスは、この段階で減点されます。
一貫性:職歴・転職理由・志望動機がつながっているか
「なぜ辞めるのか」「なぜこの会社なのか」「経験がどう生きるのか」が一本の線になっているかを見ています。NG6・NG7・NG9は、この一貫性を崩します。
具体性:数字と事実で語られているか
抽象的な表現は「どの程度か」が分からず、評価のしようがありません。NG8・NG10は、具体性の不足です。
職種別に起きやすい転職履歴書のNG

履歴書で重視されるポイントは、職種によって異なります。IT・営業・事務の3職種について、起きやすいNGと対策を表にまとめました。
| 職種 | 起きやすいNG | 対策 |
|---|---|---|
| IT・エンジニア | スキルの曖昧な記載、技術力の過大申告、アクセスできないポートフォリオURL | 使用技術・担当工程・成果をセットで書く。URLは提出直前にアクセス確認 |
| 営業 | 根拠のない「トップ営業」アピール | 達成率・順位・金額など数字で裏付ける。会社の規模や市場での立ち位置も添える |
| 事務・総務・人事 | 「PC操作が得意」だけで使用ソフトが不明 | Excel(関数・VBAなど)、Word、PowerPointの習熟度と、担当した業務(給与計算・勤怠管理・採用など)を具体的に列挙 |
IT・エンジニア職のNG
「〇〇を経験した」だけでは、担当範囲も成果も伝わりません。「〇〇を用いて△△を開発し、処理速度を改善した」のように、使用技術・担当した工程・成果の3点をセットで書きます。GitHubやポートフォリオのURLを載せる場合は、公開設定になっているか、リンク切れがないかを提出直前に確認してください。
営業職のNG
「トップ営業だった」という表現は、何人中の何位か、達成率はどのくらいかという数字がないと評価できません。会社によって目標設定や評価基準が違うため、「〇名の営業部門で」「新規開拓中心の部署で」のように前提も添えると伝わりやすくなります。
事務・総務・人事職のNG
事務系職種では、使用できるソフトと担当した業務の範囲が主な判断材料です。「Excel:VLOOKUP・ピボットテーブル・簡単なマクロ作成」「給与計算(〇名分)」のように、採用担当者が業務内容を具体的に想像できる粒度で書いてください。
履歴書のNGを防ぐ提出前の対策と最終チェックリスト

履歴書のNGは、提出前の確認でほとんど防げます。おすすめは「自分で通読する」「声に出して読む」「第三者に見てもらう」の三重チェックです。
対策1:三重チェックを習慣にする
1回目は自分で黙読し、2回目は声に出して読みます。声に出すと、目で追うだけでは気づかない脱字や不自然な言い回しに気づきやすくなります。3回目は家族・友人・転職エージェントなど第三者に見てもらいます。社名・担当者名・日付は特に間違いが多いので、重点的に確認してください。
対策2:テンプレートは参考にとどめ、自分の言葉で書く
インターネット上の例文をそのまま使うと、多くの履歴書を見ている採用担当者には見抜かれます。構成や言い回しは参考にしつつ、実績・エピソード・志望理由は自分の経験から書いてください。
対策3:履歴書の様式は最新のものを使う
厚生労働省は、性別欄を任意記載とし、通勤時間・扶養家族数・配偶者の有無などの欄をなくした「履歴書の様式例」を公表しています(要確認:公表時期と最新の様式内容)。また、本籍地・家族構成・宗教・支持政党など、本人の適性や能力と関係のない事項は、厚生労働省が示す「公正な採用選考の基本」において、応募書類で把握すべきでないとされています。古い市販の履歴書には、これらの欄が残っているものがあります。応募先から様式の指定がなければ、厚生労働省の様式例など最新の様式を選ぶと安心です。
提出前の最終チェックリスト
- 証明写真:撮影から時間が経っていない、スーツなど適切な服装、写真館か証明写真機で撮影
- 日付:記入済み、提出日基準、年齢も提出日で計算
- 年号:西暦か和暦に統一
- 誤字脱字:3回以上チェック済み、社名・部署名は正式名称
- レイアウト:PDF化後・スマートフォン表示で崩れなし
- 学歴・職歴:学校名・社名は正式名称、年月に誤りなし
- 志望動機:応募先固有の内容で、職歴とつながっている
- 自己PR:強み・実績・貢献の3点構成で、数字か事実がある
- 転職理由:次に実現したいことに言い換え済み
- 資格・スキル:応募職種に関連するものを優先し、習熟度は正直に
- 修正テープ・修正液・消えるボールペンを使っていない
- 第三者チェック:完了
このチェックをすべて満たしても、書類選考は職務経歴書と合わせて評価されます。落ちる原因が履歴書以外にある場合も多いため、「転職の書類選考で落ちる原因7選」も併せて確認してください。
履歴書に自信がないときは無料の転職相談で第三者チェックを受ける

自分では気づけないNGは、採用側の視点を持つ第三者に見てもらうのが最も確実です。UNLITD CAREERを運営する株式会社アンリット(有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-319937)では、無料の転職相談を受け付けています。
相談でできることは次のとおりです。
- 履歴書・職務経歴書の添削と、応募先に合わせた志望動機の整理
- 職歴と志望動機のつながりを、第三者の目で確認
- 書類選考で落ちる原因が、履歴書か職務経歴書か応募先の選び方かの切り分け
「何度も書類で落ちる」「志望動機が薄い気がする」と感じているなら、書類を作り直す前に一度ご相談ください。
転職履歴書のNGに関するよくある質問
履歴書は手書きとパソコン作成のどちらが良いですか
応募先が手書きを指定していなければ、パソコン作成で問題ありません。パソコン作成は誤字の修正が容易で、レイアウト崩れや修正跡のリスクも減らせます。手書きを指定された場合だけ、丁寧に手書きで作成してください。
証明写真はスマートフォンで撮ったものでも良いですか
自撮りやスナップ写真はおすすめしません。背景・照明・姿勢が整わず、応募への真剣度を疑われるためです。写真館か証明写真機で撮影し、データも受け取っておくとWeb応募でも使えます。
履歴書の日付は作成日と提出日のどちらを書きますか
提出日を書きます。郵送なら投函日、持参なら持参日、Web応募なら送信日が目安です。年齢もその日付を基準に計算します。
書き間違えたら修正テープで直しても良いですか
修正テープ・修正液は使わず、新しい用紙に書き直します。修正跡は、改ざんの疑いや雑な印象につながるためです。書き直しの手間を減らしたいなら、パソコン作成に切り替える方法があります。
短期離職や空白期間は履歴書に書かなくても良いですか
職歴は事実どおりに書きます。意図的に省くと、入社時の雇用保険や年金の手続きで判明する場合があり、経歴詐称として問題になるおそれがあります。空白期間は「資格取得のための学習」「家族の介護」など事実を簡潔に書き、面接で説明できるようにしておきましょう。
志望動機は履歴書と職務経歴書の両方に書きますか
履歴書には志望動機欄があるため、必ず書きます。職務経歴書には必須ではありませんが、書く場合は履歴書と矛盾しない内容にし、履歴書よりも具体的に経験との接点を書き分けると効果的です。
転職エージェントに履歴書を添削してもらうべきですか
第三者チェックの手段として有効です。職業安定法第32条の3第2項により、有料職業紹介事業者は原則として求職者から手数料を受け取れないため、求職者側の利用料は無料です。企業ごとの選考傾向を踏まえた指摘が受けられる一方、担当者によって添削の質に差があるため、指摘をそのまま反映するのではなく、自分の言葉で書き直すことが大切です。
まとめ:転職履歴書のNGは提出前の確認で防げる
転職履歴書のNG項目10選は、形式・体裁のNG5つと内容のNG5つに分かれます。形式のNGは三重チェックで、内容のNGは「応募先に合わせて具体的に書く」ことで防げます。
- 写真・日付・誤字・レイアウト・修正跡は、提出前の確認で必ずつぶす
- 志望動機は、応募先固有の情報と自分の経験の接点を書く
- 自己PRは、強み・実績・貢献の3点構成で数字や事実を入れる
- 転職理由は、「次に実現したいこと」に言い換える
- 資格・スキルは、応募職種に関連するものを優先し、習熟度は正直に書く
今の履歴書を冒頭の一覧表と照らし合わせ、該当するNGから順に直していってください。
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