転職の年収相場は、「職種 × 年代 × 業界」の組み合わせで決まります。全国平均の1つの数字と自分の年収を比べるだけでは、自分の市場価値は判断できません。
この記事では、職種別・年代別の年収相場の目安、相場の調べ方、転職で年収が上がる人と下がる人の違いを解説します。読み終えたときに、内定時の提示額を「相場より高いのか、低いのか」自分で判断できる状態になることが目的です。
転職の年収相場とは?結論は「職種×年代×業界」で決まる

転職の年収相場とは、特定の職種・業界・年代の転職者が受け取る年収の平均的な水準のことです。求人の需要と供給によって常に変動し、景気や業界の動向にも左右されます。
公的統計では、日本の給与所得者全体の平均年収は約460万円(要確認)とされています。出典は国税庁「民間給与実態統計調査」および厚生労働省「賃金構造基本統計調査」で、いずれも毎年公表されているため、最新年分の数値を確認したうえで参照してください。
ただし、平均値は業種・職種・年齢で大きな開きがあり、平均との比較だけでは提示額の妥当性は分かりません。
転職の年収相場を見るときに重要なのは、「現職の年収」ではなく「市場が評価するスキルと経験の価値」です。同じ職種でも、保有スキルや実績によって提示額は大きく変わります。
年収相場を決める要素は、次の3つに整理できます。
- 職種: 仕事内容そのものの需要と供給。IT・エンジニア系は高く、一般事務は低めになりやすい
- 年代: 企業が求める役割の違い。20代はポテンシャル、30代は即戦力、40代以上は専門性が評価される
- 業界・企業規模: 同じ職種でも、外資系・大手・ベンチャーで水準が異なる
なお、転職時の年収は「前職の年収」を基準に決まるケースが多いものの、近年はスキルを基準にした採用が増えています。前職の年収に縛られずに高い年収を狙えるケースも増えているため、「前職+α」だけを前提にしないことが大切です。
転職の年収相場を調べる方法3つ

転職の年収相場は、求人サイトの年収検索、転職エージェントの保有データ、公的統計の3つを組み合わせて調べるのが基本です。1つの情報源だけでは、数字が偏ります。
| 調べ方 | 分かること | 注意点 |
|---|---|---|
| 求人サイトの年収検索 | 今募集中の求人が提示している年収レンジ | 求人票の年収は幅が広く、上限は経験者向けの金額であることが多い |
| 転職エージェントの保有データ | 実際の内定実績、非公開求人の相場、自分の経歴に対する評価 | エージェントの得意領域に情報が偏る。複数社に聞くと精度が上がる |
| 公的統計 | 全国・年齢別・産業別の平均賃金 | 転職者だけの数値ではない。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」は月額賃金ベースのため年収換算が必要 |
求人サイトと公的統計は自分で調べられますが、「自分の経歴だとどの金額になるか」は転職エージェントに聞かないと分かりません。エージェントの選び方は「転職エージェントおすすめ7選失敗しない選び方と活用法完全ガイド」で解説しています。
【職種別】転職の年収相場一覧

職種別に見ると、IT・エンジニア系と外資系営業の年収相場が高く、一般事務や介護職は低めです。ただし、同じ職種でもスキルと資格によって幅が大きく、表の下限と上限では2倍近く差があります。
以下の各表の金額は元記事の記載値であり、出典が未確認です。公開前に、求人サイトの年収検索や公的統計と照合してください(要確認)。
表の「中央値」とは、その職種の転職者を年収順に並べたときに中央に位置する金額のことです。「上位層」とは、専門性やマネジメント経験を評価されて相場より高い年収で転職した層を指します。
IT・エンジニア系の年収相場
IT・エンジニア系は、転職市場の中でも年収水準が高い職種カテゴリの一つです。デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展でエンジニア需要が続いており、年収相場は上昇傾向にあります。
| 職種 | 年収相場(中央値・要確認) | 上位層の年収(要確認) |
|---|---|---|
| システムエンジニア(SE) | 450〜600万円 | 700〜1,000万円 |
| Webエンジニア(フロント・バック) | 500〜700万円 | 800〜1,200万円 |
| データサイエンティスト・AI/MLエンジニア | 600〜900万円 | 1,000〜1,500万円以上 |
| インフラエンジニア・クラウドエンジニア | 500〜700万円 | 800〜1,100万円 |
| ITプロジェクトマネージャー(PM) | 650〜850万円 | 900〜1,300万円 |
特に需要が高いのは、AIやクラウドに関するスキルを持つエンジニアです。AWSやGoogle Cloudなどのクラウド資格、PythonやRustなど需要の高い言語のスキルを持つ人は、転職だけで年収が100〜200万円(要確認)上がるケースもあります。
ITエンジニアの採用では、経験年数よりも「何ができるか」というスキルセットが重視されます。実務経験が浅くても、ポートフォリオや資格で技術力を証明できれば、相場より高い提示を受けることは可能です。
営業・マーケティング系の年収相場
営業・マーケティング系は、業界や会社規模によって年収の幅が非常に大きい職種カテゴリです。インセンティブ制度のある営業職では、実績次第で年収が大きく変動します。
| 職種 | 年収相場(中央値・要確認) | 上位層の年収(要確認) |
|---|---|---|
| 法人営業(BtoB) | 400〜600万円 | 700〜1,000万円 |
| 外資系営業 | 600〜900万円 | 1,000〜2,000万円以上 |
| Webマーケター・デジタルマーケター | 400〜600万円 | 700〜1,000万円 |
| マーケティングマネージャー | 600〜800万円 | 900〜1,200万円 |
マーケティング職では、SEO・SNS運用・データ分析などのデジタルスキルを持つ人材の需要が高まっています。Googleアナリティクスや広告運用の実績、MA(マーケティングオートメーション)ツールの経験は、転職時に評価されやすい要素です。
営業職の場合、求人票の年収に「インセンティブ含む」と書かれていることがあります。基本給がいくらで、インセンティブが平均でいくらかを面接で確認しないと、相場との比較ができません。
事務・バックオフィス系の年収相場
事務・バックオフィス系は転職市場での競争率が高く、年収相場は他の職種と比べてやや低めです。ただし、英語力・会計知識・法務知識などの専門性がある場合は、年収水準が大きく上がります。
| 職種 | 年収相場(中央値・要確認) | 備考 |
|---|---|---|
| 一般事務・総務 | 280〜380万円 | 正社員・大手企業で高め |
| 経理・財務 | 400〜600万円 | 簿記2級以上で有利 |
| 人事・採用 | 400〜550万円 | HRテック経験者は高め |
| 法務・コンプライアンス | 500〜700万円 | 弁護士資格で1,000万円超も |
一般事務は求人倍率が低く(元記事では0.3〜0.5倍程度、要確認。厚生労働省「職業安定業務統計」の職業別有効求人倍率で確認可能)、転職難易度が高い職種の一つです。差別化には、ExcelやPowerPointの高度なスキル、英語力、簿記などの資格が有効です。
医療・福祉・介護系の年収相場
医療・福祉・介護系は慢性的な人材不足が続いており、転職市場では求職者が有利な状況です。資格の有無が年収に直結するため、専門資格の取得が年収アップへの近道になります。
| 職種 | 年収相場(中央値・要確認) | 備考 |
|---|---|---|
| 看護師 | 450〜550万円 | 夜勤手当で大きく変動 |
| 薬剤師 | 500〜650万円 | ドラッグストアは高め |
| 介護福祉士 | 280〜380万円 | 処遇改善加算で上昇傾向 |
| 理学療法士・作業療法士 | 350〜450万円 | スポーツ分野は高め |
看護師や介護職は手当が年収に占める割合が大きいため、求人票の年収が手当込みか基本給だけかを確認してください。
【年代別】転職の年収相場と評価される軸

年代別に見ると、20代はポテンシャル、30代は即戦力としての実績、40代以上は専門性か経営視点で評価されます。年代が上がるほど、相場の幅(同じ年代の中での差)は広がります。
| 年代 | 転職年収相場の目安(要確認) | 企業が評価する軸 |
|---|---|---|
| 20代前半(22〜25歳) | 250〜350万円 | 成長意欲・基礎スキル |
| 20代後半(26〜29歳) | 350〜500万円 | 3〜5年の実務経験 |
| 30代前半(30〜34歳) | 450〜650万円 | 即戦力としての実績 |
| 30代後半(35〜39歳) | 500〜800万円 | 専門性とマネジメント能力 |
| 40代以上 | 600〜900万円 | 業界特化の専門性、または経営視点 |
上記の金額は元記事の記載値で、出典が未確認です。年代別の平均賃金は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の年齢階級別データで確認できます。
20代の転職年収相場
20代の転職は「ポテンシャル採用」が中心です。ポテンシャル採用とは、現時点の実績よりも、成長意欲や基礎スキルなど将来性を評価して採用することです。
20代前半の相場は上の表のとおりですが、IT系や外資系では400万円以上(要確認)の提示を受けるケースもあります。20代後半は3〜5年の実務経験が評価され、相場が一段上がります。
20代後半は「第二新卒」「若手即戦力」として、最も転職しやすい時期と言われています。第二新卒とは、新卒で入社してから概ね3年以内に転職活動をする人を指す言葉です。
20代の転職では、目先の年収よりも成長環境を優先した方が、長期的な年収アップにつながります。将来性の高い業界・企業へ移り、30代以降の年収の土台を作ることが重要です。
一方で、20代のうちに転職回数が多くなりすぎると(元記事では3回以上、要確認)、採用担当者から「定着性に不安がある」と見られるリスクがあります。1回の転職でしっかり実績を積み、次に活かすキャリア設計が理想です。
30代の転職年収相場
30代は転職市場で最も活発に転職が行われる年代で、即戦力としての評価が高まります。
30代前半でもマネジメント経験があれば、600〜800万円以上(要確認)の提示を受けることがあります。30代後半は専門性とマネジメント能力の両方が求められ、相場の上限がさらに上がります。
年収に最も影響するのはマネジメント経験です。チームリーダーや管理職の経験がある人は、部下の人数・担当した予算・達成した数字を具体的に示すと、年収交渉で有利になります。
40代以上の転職年収相場
40代以上の転職は、20〜30代と比べると求人数が減る傾向にありますが、高い専門性や豊富な経験を持つ人材への需要は存在します。
役員クラスや専門家として転職する場合は、1,000万円以上(要確認)の提示を受けることもあります。
40代で年収を維持・アップさせるには、業界特化型の専門スキルか、複数の事業を牽引できる経営視点のどちらかが必要です。「何でもできるゼネラリスト」は、40代以降の転職では評価されにくい傾向があります。
転職で年収が上がる人・下がる人の違い5つ
転職で年収が上がる人と下がる人の違いは、市場価値の把握・目的の明確さ・数字で語れる実績・複数の選択肢・伸びしろの提示の5点です。同じ職種・同じ年代でも、この5点の有無で提示額は変わります。
| 観点 | 年収が上がる人 | 年収が下がる人 |
|---|---|---|
| 市場価値 | 転職前に相場を調べ、自分の位置を数字で把握している | 相場を調べないまま提示額を受け入れる |
| 転職の目的 | 「なぜ転職するか」「何を実現したいか」を言葉にできる | 「今の職場が嫌」という理由だけで動く |
| 実績の伝え方 | 成果を数字で示す | 「頑張った」という話にとどまる |
| 選択肢 | 2社以上を並行して進める | 応募先が1社しかない |
| 伸びしろ | 学習中のスキルや入社後1年でやりたいことを語る | 過去の実績だけを話す |
1. 市場価値を数字で把握しているか
年収が上がる人は、転職活動を始める前に自分のスキルや経験の市場価値を客観的に調べています。市場価値とは、自分と同じスキル・経験を持つ人材に対して、企業がいくら払うかという水準のことです。
2. 転職の目的が言葉になっているか
年収が上がる人は、「なぜ転職するのか」「転職して何を実現したいのか」を自分の言葉で説明できます。目的が明確だと、応募する企業も面接で伝えるべき強みも自然に絞り込まれます。
3. 実績を数字で語れるか
採用側が年収を決める根拠は、最終的には「この人がいくら分の成果を出せるか」の見積もりです。年収が上がる人は、「売上を前年比120%に伸ばした」「工数を月40時間削減した」のように成果を数字で示します。
4. 2社以上の選択肢を持って交渉しているか
年収が上がる人は、必ず2社以上を並行して進めています。他社の提示額という客観的な基準があるからこそ、「同水準までは引き上げていただきたい」と根拠を持って伝えられます。
選択肢が1社しかない状態では、交渉は事実上できません。
5. 入社後の伸びしろを示せているか
提示年収は、現在の実力だけでなく「入社後にどこまで伸びそうか」の期待値も含んで決まります。年収が上がる人は、学習中のスキルや、入社後1年でやりたいことを具体的に語ります。
過去の実績と未来の貢献をセットで示せると、提示額は上振れしやすくなります。年収が上がる人の特徴は「転職で年収が上がる人の特徴8選」でも詳しく解説しています。
逆に年収が下がりやすいのは、上記5点のすべてを転職エージェント任せにする人です。エージェントは交渉を代行してくれますが、交渉材料(実績の数字・他社の提示額・希望額の根拠)は自分で用意する必要があります。年収が下がる原因と対処法は「転職で年収が下がる5つの原因と対策」で解説しています。
年収相場を転職活動に活かす5つのステップ
年収相場は、調べて終わりではなく、希望年収の設定と交渉に使って初めて意味があります。相場を調べたら、現在の年収を分解し、希望額と最低ラインを決め、複数社を並行して進め、内定後に交渉する、という順番で使ってください。
- 職種・年代・業界の3軸で相場を調べる: 求人サイト・転職エージェント・公的統計の3つを組み合わせます
- 現在の年収を内訳に分解する: 基本給・賞与・残業代・各種手当に分けます。提示額と比べるときに、総額だけで比べると残業代や手当の差を見落とします
- 希望年収と最低ラインの2つを決める: 希望年収は相場の上位層を参考に、最低ラインは現在の年収の内訳をもとに決めます。最低ラインを決めておくと、提示額を受けるか断るかを迷わずに判断できます
- 2社以上を並行して進める: 他社の提示額が、交渉の客観的な根拠になります
- 内定後・オファー面談で交渉する: 年収の話は、企業側が採用を決めた後の方が通りやすくなります。タイミングと伝え方は「転職時の給与交渉タイミングと成功する5つのコツ」で解説しています
自分の市場価値がわからないときは、無料の転職相談で確認する
相場表を見ても、自分の経歴がどの金額に当てはまるのか判断できない場合は、第三者に経歴を見てもらうのが早い方法です。
UNLITD CAREER を運営する株式会社アンリット(有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-319937)では、無料の転職相談を受け付けています。相談では次のことを行います。
- 現在の経歴・スキル・年収の内訳のヒアリング
- 職種・年代・業界の相場との照合と、市場価値の目安の提示
- 希望年収と最低ラインの設定
- 条件に合う求人の紹介(希望する場合のみ)
転職するかどうかを決めていない段階でも構いません。「今の年収が相場と比べてどうなのか」を知るだけでも、次の判断材料になります。一度ご相談ください。
まとめ|年収相場を知ることが転職の交渉力になる
転職の年収相場を職種別・年代別に見たうえで、年収が上がる人と下がる人の違いを整理しました。要点は次の5つです。
- 年収相場は「職種 × 年代 × 業界」で決まる。全国平均ではなく、自分の3軸で相場を調べる
- 20代はポテンシャル、30代は実績、40代以上は専門性か経営視点が評価軸になる
- 年収が上がる人は、市場価値の把握・目的の明確化・数字での実績提示ができている
- 2社以上を並行して進めることが、そのまま交渉力になる
- 提示額は「現在の実力+入社後の伸びしろ」で決まる
相場を知らないまま転職活動を始めることが、年収が上がらない最大の原因です。まずは自分の市場価値を数字で把握するところから始めてください。
転職の年収相場に関するよくある質問
転職すると年収は必ず上がりますか?
必ず上がるわけではありません。年収が上がるかどうかは、職種の需要・年代・業界に加えて、市場価値の把握や交渉の準備ができているかで決まります。相場を調べずに内定を承諾すると、下がるケースもあります。
転職の年収相場はどこで調べられますか?
求人サイトの年収検索、転職エージェントの保有データ、公的統計の3つで調べられます。公的統計は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」と国税庁「民間給与実態統計調査」が基本です。自分の経歴に対する具体的な評価額は、転職エージェントや転職相談で確認する必要があります。
相場より低い年収を提示されたら断るべきですか?
すぐに断る必要はありません。提示額の内訳(基本給・賞与・残業代・手当)を確認し、事前に決めた最低ラインと比べてください。上回っていれば他社の提示額や実績を根拠に交渉する余地があり、下回る場合は辞退も選択肢です。
20代の転職で年収は上がりますか?
20代はポテンシャル採用が中心のため、大幅な年収アップよりも「30代以降の年収の土台を作る」転職になるケースが多いです。IT系や外資系など需要の高い分野では、20代でも相場より高い提示を受けることがあります。
未経験の職種に転職すると年収は下がりますか?
未経験の職種では、即戦力としての評価ができないため、現職より年収が下がる可能性があります。ただし、IT・エンジニア系のように「何ができるか」を重視する職種では、資格やポートフォリオで技術力を証明できれば、経験年数が浅くても高い提示を受けることは可能です。
転職エージェントは年収交渉を代わりにしてくれますか?
転職エージェントは、企業との年収交渉を代行してくれます。ただし、交渉の材料になる実績の数字・他社の提示額・希望額の根拠は、自分で用意する必要があります。材料が無いまま任せると、交渉は進みません。
求人票の年収に幅があるとき、どちらの金額を見ればいいですか?
下限を基準に見てください。求人票の年収の上限は、経験者やマネジメント経験者向けの金額であることが多く、未経験や若手には下限に近い金額が提示される傾向があります。自分がどこに当てはまるかは、面接や転職エージェントを通じて確認するのが確実です。
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