未経験でも狙える職種10選|採用されやすい理由と選び方を解説

未経験でも狙える職種10選を、仕事内容・年収の目安・必要な準備・向いている人まで整理して解説します。採用されやすい職種の共通点、前職の経験別の選び方、未経験歓迎求人の見極め方、失敗しやすい3パターンの対策まで網羅した完全ガイドです。

結論:未経験でも狙える職種は「人手不足」か「育成前提」の10職種

未経験転職を考える男性がパソコンを見ている様子

未経験でも狙える職種とは、業界全体が人手不足で求人数が多いか、入社後の育成を前提とした採用体制がある職種です。具体的には、ITエンジニア、Webマーケター、営業職、介護職、事務職、Webデザイナー、カスタマーサポート、物流・倉庫作業、不動産、保険・金融の10職種が代表的です。

未経験転職で問われるのは実務経験ではなく、前職の経験のうち何が新しい職種に接続できるか、入社後に伸びる見込みがあるかの2点です。まずは10職種の全体像を確認してください。

職種 年収の目安 応募前にあると有利な準備
ITエンジニア 350万〜600万円 プログラミング言語の基礎学習
Webマーケター 350万〜550万円 アクセス解析・広告運用の基礎
営業職 300万〜500万円 特になし(実績の言語化)
介護職・福祉職 280万〜380万円 介護職員初任者研修
事務職 250万〜380万円 Word・Excelの操作スキル
Webデザイナー 300万〜500万円 制作物をまとめたポートフォリオ
カスタマーサポート 280万〜380万円 接客・電話対応の経験整理
物流・倉庫作業 280万〜380万円 フォークリフト運転技能講習
不動産業界 350万〜600万円 宅地建物取引士の学習開始
保険・金融業界 350万〜600万円 FP技能検定3級

年収の目安は求人でよく見られる水準で、企業規模・地域・成果によって変動します。応募前に厚生労働省の賃金構造基本統計調査や実際の求人票で最新の水準を確認してください。

未経験者が採用されやすい職種に共通する3つの条件

未経験転職が成功しやすい職種の特徴を示すグラフ

未経験者が採用されやすい職種には、「人手不足で求人数が多い」「ポテンシャル採用を行っている」「研修制度が整っている」という3つの共通条件があります。3つとも満たす職種ほど、実務経験がないことが不利になりにくくなります。

条件1|慢性的な人手不足で求人数が多い

求人数が多い職種ほど、企業は採用基準を経験者だけに絞れません。IT、介護、営業、物流は求人数が多い分野の代表で、経験者の応募だけでは必要な人数を確保できないため、未経験者にも門戸が開かれます。

求人サイトで職種名を検索し、ヒット件数を他職種と比べるだけでも採用の広さはつかめます。

条件2|スキルより意欲を評価するポテンシャル採用がある

ポテンシャル採用とは、応募時点のスキルではなく、入社後の成長見込みや意欲を重視して採否を決める採用方法です。20代から30代前半を対象に実施されることが多く、実務未経験でも選考の土俵に立てます。

なお、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)第9条により、募集・採用時に年齢を理由として応募を制限することは原則として禁止されています。求人票に年齢の記載がある場合は、長期勤続によるキャリア形成を図る目的などの例外事由に該当するケースです。

条件3|研修・教育制度が整っている

研修制度が整っている企業は、未経験者の入社を前提に受け入れ体制を作っています。逆に、教育の仕組みがないまま「未経験歓迎」と書いている企業では、入社後に放置され早期離職につながることがあります。

求人票では「研修期間の長さ」「OJT(実務を通じた教育)の担当者がいるか」「資格取得支援の有無」を確認してください。この3点が具体的な求人ほど、育成の実態がある可能性が高くなります。

未経験でも狙える職種10選|仕事内容・必要な準備・向いている人

人手不足の業界のイメージ図

10職種それぞれの仕事内容、応募前の準備、向いている人を解説します。すべてを狙う必要はありません。自分の経験とつながる職種を2〜3個に絞ってください。

1. ITエンジニア(プログラマー・システムエンジニア)

ITエンジニアとは、システムやWebサービスを動かすプログラムを設計・開発・保守する職種です。IT分野は人材需要が高く、未経験者を採用して育てる企業が存在します。

年収の目安は350万〜600万円で、扱える技術が増えるほど上がりやすい職種です。応募前にPythonやJavaScriptなどのプログラミング言語を3〜6か月ほど学習しておくと、面接で学習意欲を具体的に示せます。

物事を順序立てて考えるのが好きな人に向いています。一方で、技術の変化が速く、入社後も学習を続ける必要があります。IT分野への転職は「IT業界へ未経験から転職する方法」で詳しく解説しています。

2. Webマーケター

Webマーケターとは、インターネット上の広告・検索・SNSなどを使って、商品やサービスの認知と売上を伸ばす施策を設計・実行する職種です。手法には検索エンジン対策(SEO)、リスティング広告、SNS広告、メール配信などがあります。

年収の目安は350万〜550万円です。応募前の準備としては、アクセス解析ツールや広告管理画面の基礎を独学で触っておくと、実務のイメージを持って話せます。

数字を見て仮説を立てるのが好きな人に向いています。成果が数値で可視化されるため、結果への責任が明確な環境が苦手な人には負担になりやすい職種です。

3. 営業職(法人営業・個人営業)

営業職とは、企業や個人の顧客に商品・サービスを提案し、契約につなげる職種です。未経験採用の枠が広く、業界を問わず求人があります。

年収の目安は300万〜500万円で、インセンティブ(成果に応じた報酬)制度がある企業では成果次第でさらに上がります。特別な資格は不要で、前職の接客経験や社内調整の経験をそのまま志望動機に接続しやすいことが利点です。

人と話すことが苦にならない人に向いています。ただし数値目標が設定される職種であり、未達が続くと精神的な負担が大きくなる点は理解したうえで選んでください。

4. 介護職・福祉職

介護職とは、高齢者や障がいのある方の食事・入浴・移動などの日常生活を支援する職種です。高齢化を背景に需要が続いており、資格がない状態からでも働き始められる求人があります。

年収の目安は280万〜380万円です。入門資格の介護職員初任者研修(厚生労働省が定めるカリキュラムに基づく研修)は比較的短期間で修了でき、修了後は業務範囲が広がります。国家資格の介護福祉士(社会福祉士及び介護福祉士法に基づく)を取得すると、待遇改善につながる場合があります。

人の生活を支える仕事に関心がある人に向いています。夜勤の有無や身体的な負担は事業所によって差が大きいため、応募前に勤務シフトを確認してください。

5. 事務職(一般事務・営業事務)

事務職とは、書類作成、データ入力、電話・来客対応、日程調整など、部門の運営を支える業務を担当する職種です。勤務時間が読みやすい求人が多く、生活リズムを安定させたい人に人気があります。

年収の目安は250万〜380万円です。応募前にWordとExcelの基本操作を身につけておくと、選考での評価が変わります。

正確さと段取りが得意な人に向いています。一方で、10職種のなかでは応募者が集まりやすく、競争率が高い点が最大の注意点です。前職での資料作成や数字管理の実績を具体的に書けるよう準備してください。

6. Webデザイナー

Webデザイナーとは、WebサイトやWebサービスの画面デザインを設計・制作する職種です。見た目の美しさだけでなく、利用者が迷わず操作できる設計が求められます。

年収の目安は300万〜500万円です。応募時にはデザインツールの操作スキルに加えて、自作の制作物をまとめたポートフォリオが実質的な必須条件になります。実務経験がない分、作品が判断材料になるためです。

手を動かして改善を重ねられる人に向いています。「なぜこの配置にしたか」を説明できる人が評価されます。

7. カスタマーサポート

カスタマーサポートとは、電話・メール・チャットで顧客からの問い合わせに対応し、使い方の案内やトラブル解決を行う職種です。

年収の目安は280万〜380万円で、資格を求められない求人が多い職種です。接客業や販売業の経験は、そのまま強みとして提示できます。

相手の話を最後まで聞き、落ち着いて対応できる人に向いています。苦情対応が含まれるため、感情的なやり取りへの耐性は必要です。

8. 物流・倉庫作業(ピッキング・梱包)

物流・倉庫作業とは、倉庫内で商品の入出庫、仕分け、ピッキング(指定された商品を棚から取り出す作業)、梱包を行う職種です。ネット通販の拡大で求人が増えている分野です。

年収の目安は280万〜380万円で、学歴や資格を問わない求人が多く、応募のハードルは10職種のなかでも低めです。フォークリフトを運転する業務に就く場合は、労働安全衛生法第61条に基づく技能講習の修了が必要で、修了者は配置される業務の幅が広がります。

体を動かす作業に集中できる人に向いています。立ち仕事が中心で、繁忙期の負荷が高くなる点は確認してください。

9. 不動産業界(営業・管理)

不動産業界の営業・管理職とは、住宅や土地の売買・賃貸の仲介、入居者対応、建物の維持管理を行う職種です。未経験採用が比較的多く、入社後に資格取得を支援する企業もあります。

年収の目安は350万〜600万円(インセンティブを含む)です。中心となる資格は宅地建物取引士で、宅地建物取引業法に基づき、事務所ごとに一定数の設置が義務づけられています。この法的な必置要件があるため、企業側が取得を後押しする動機を持ちやすい分野です。

顧客の希望を聞き出して提案できる人に向いています。土日に来客対応が集中する業態が多く、休日の取り方は事前確認が必要です。

10. 保険・金融業界(ファイナンシャルプランナーなど)

保険・金融業界の営業・相談職とは、保険や資産形成に関する顧客の相談に応じ、商品を提案する職種です。

年収の目安は350万〜600万円(成果報酬を含む)です。入門となる資格はファイナンシャル・プランニング技能検定3級で、職業能力開発促進法に基づく国家検定として実施されています。

数字への抵抗がなく、顧客と長期の信頼関係を築ける人に向いています。商品によっては成果目標が厳しく設定されるため、評価制度は面接時に確認してください。

前職の経験別|つながりやすい職種の選び方

ポテンシャル採用のイメージ、成長する若者

職種選びで効率がよいのは、前職の経験と接点がある職種から検討することです。「ゼロからの挑戦」ではなく「経験の応用」として説明できるため、志望動機の説得力が上がります。

前職の経験 接続しやすい職種 選考でのアピール軸
接客・販売 営業職、カスタマーサポート、不動産 顧客の要望を引き出した経験
飲食・サービス 営業職、物流・倉庫作業、介護職 繁忙時の段取りと体力
一般事務・経理 事務職、Webマーケター、カスタマーサポート 資料作成と数字の正確な処理
製造・技術職 ITエンジニア、物流・倉庫作業 手順を守る正確さと改善の視点
医療・福祉の周辺職 介護職、カスタマーサポート 相手の状態に合わせた対応

どの強みを前面に出すか迷う場合は、「未経験から転職を成功させるスキル7選」で評価されやすい力の整理方法を確認してください。

「未経験歓迎」の求人を見極める5つのチェックポイント

社内研修を受ける社員たち

「未経験歓迎」と書かれた求人がすべて良い求人とは限りません。応募前に次の5点を確認すると、入社後のミスマッチを大きく減らせます。

  1. 研修の内容と期間が具体的に書かれているか:「充実した研修」だけの記載は実態が不明です。期間・内容・担当者の記載を探してください。
  2. 給与欄の内訳が明示されているか:固定残業代が含まれる場合、その時間数と金額が示されているかを確認します。職業安定法第5条の3により、企業は募集時に賃金・労働時間などの労働条件を明示する義務があります。
  3. 同じ求人が長期間掲載され続けていないか:常時掲載は事業拡大の場合もありますが、離職率が高い可能性も考えられます。
  4. 仕事内容の記載が具体的か:「幅広い業務」「サポート全般」だけの求人は、入社後に想定と異なる業務を任される可能性があります。
  5. 未経験入社者が実際にいるか:面接で「直近1年で未経験入社した方は何名ですか」と質問すると、育成の実態を確認できます。

未経験転職を成功させる5つのステップ

様々な職種のアイコンが並んでいるイメージ

未経験転職は、自己分析、学習、書類、エージェント活用、応募の順に進めると迷いにくくなります。順番を飛ばして応募から始めると、志望動機が固まらないまま面接に臨むことになります。

ステップ1|自己分析で強みと譲れない条件を言語化する

自己分析とは、これまでの経験を振り返り、得意なこと、続けられたこと、避けたいことを言葉にする作業です。未経験転職では「なぜこの職種なのか」を説明する必要があるため、最初に取り組みます。

過去の仕事やアルバイトから、成果が出た場面とその理由を書き出してください。「接客経験がある」で止めず、「初来店の顧客に声をかける順番を変えて再来店が増えた」まで掘り下げると、そのまま志望動機の材料になります。

ステップ2|志望職種の基礎スキルを1つ学び始める

応募前に学習を始めておくと、面接で意欲を具体的に示せます。ITエンジニアならプログラミング学習、Webデザイナーならポートフォリオ制作、事務職ならExcelの操作といった形です。

費用を抑えたい場合は、ハローワークが窓口となる公的職業訓練(職業能力開発促進法に基づく公共職業訓練および求職者支援訓練)を検討してください。コースによっては受講料が無料になります(テキスト代などは自己負担)。

ステップ3|職務経歴書で「接続できる経験」を示す

未経験応募の職務経歴書では、これまでの業務内容をそのまま書き写すのではなく、志望職種で使える要素を選んで前に出します。応募先ごとに強調する部分を入れ替えることが前提です。

ステップ4|転職エージェントと求人サイトを併用する

転職エージェントとは、職業安定法に基づく厚生労働大臣の許可を受けた事業者が、求職者に求人を紹介し、選考や条件交渉を支援するサービスです。求職者は無料で利用でき、書類添削や面接対策も受けられます。

一方で、紹介できる求人の範囲が決まっている、担当者との相性に左右される、希望と異なる求人を勧められることがある、といった注意点もあります。提案を鵜呑みにせず、求人サイトでも自分で検索し、両方を突き合わせて判断してください。サービスごとの違いは「転職エージェントおすすめ7選」で整理しています。

ステップ5|2〜3職種に絞って並行応募する

10職種すべてを狙うと準備が分散し、どの選考でも深い話ができません。自己分析と前職の接点をもとに2〜3職種へ絞り、並行して応募してください。複数の選考を同時に進めると面接での説明が磨かれ、比較して判断する材料も得られます。

未経験転職でよくある3つの失敗と対策

プログラミングをするエンジニアのイメージ

未経験転職の失敗は、志望動機、条件の見方、情報源の3つに集中します。事前に対策すれば避けられるものばかりです。

失敗1|志望動機が「なんとなく」で止まっている 面接官が知りたいのは、実務経験がないなかでなぜその職種を選んだのかという理由です。「将来性がありそう」だけでは他の応募者と区別されません。「前職の接客で身につけた要望の聞き取りを、営業職で顧客の課題把握に活かしたい」のように、過去の経験と志望職種を1本の線でつないで説明してください。

失敗2|年収や待遇だけで職種を選ぶ 給与額だけで選ぶと、業務内容が合わず早期離職につながります。インセンティブ制度がある職種では、提示される年収の上限値だけを見ないでください。確認すべきは固定給の水準と成果目標の設定方法です。

失敗3|求人票の情報だけで判断する 求人票は企業が発信する情報です。実際の働き方を知るには、面接での逆質問、企業の採用ページ、口コミサイトなど複数の情報源を突き合わせます。年代によって評価のされ方も変わるため、30代の方は「30代未経験でも転職成功率が上がる5つの戦略」もあわせて確認してください。

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データ分析をするWebマーケターのイメージ

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未経験でも狙える職種に関するよくある質問

未経験転職に年齢制限はありますか?

法律上、募集・採用時に年齢を理由として応募を制限することは原則として禁止されています(労働施策総合推進法第9条)。ただし、長期勤続によるキャリア形成を図る目的など、法令で認められた例外に該当する求人では年齢が示されることがあります。年齢が上がるほど、実務経験がないことを補う説明は求められやすくなります。

未経験でも一番採用されやすい職種はどれですか?

求人数の多さと必要な事前準備の少なさで見ると、営業職、カスタマーサポート、物流・倉庫作業は応募のハードルが低い職種です。ただし「採用されやすい=続けやすい」ではありません。業務内容が自分の適性に合うかを必ず併せて判断してください。

未経験転職では年収は必ず下がりますか?

必ず下がるわけではありませんが、入社時点では前職より下がる可能性があります。未経験入社は経験者と同じ基準では評価されないためです。年収を重視するなら、入社時の額だけでなく昇給の基準やインセンティブ制度の有無を面接で確認してください。

資格は取ってから応募したほうがいいですか?

職種によります。介護職の初任者研修や物流のフォークリフト技能講習のように、取得すると担当できる業務が広がる資格は先に取る価値があります。一方、宅地建物取引士やFP技能検定は入社後に取得を支援する企業もあるため、学習を始めた事実を伝えるだけでも評価されます。

「未経験歓迎」と「未経験可」は違いますか?

求人上の表記に法律上の定義の違いはありません。ただし実態として、「未経験歓迎」は育成体制を用意している場合が多く、「未経験可」は経験者を優先しつつ未経験も応募できる運用の企業があります。どちらの表記でも、研修内容と未経験入社者の実績を確認してください。

在職中と退職後、どちらで転職活動を始めるべきですか?

収入が途切れないため、在職中に始めるほうが判断を焦らずに済みます。未経験転職は職種選びと学習に時間がかかり、活動が長引く可能性があるためです。学習に集中したい場合や心身の負担が大きい場合は退職後の活動も選択肢ですが、生活費の見通しを立ててから決めてください。