在職中の転職活動が会社にバレないようにするには、5つの方法があります。転職サイトとSNSの公開設定を見直すこと、転職エージェント経由で応募すること、会社の設備を一切使わないこと、面接当日の服装と持ち物を職場から切り離すこと、リファレンスチェックの有無を事前に確認することです。
転職活動が周囲に気づかれるきっかけの多くは、設定の見落としや有給休暇の取り方など、本人が意識していない行動にあります。この記事では、バレる原因、具体的な対策、面接日程と有給休暇の調整、バレたときの対処法まで順に解説します。
在職中に転職活動をするのは違法ではない|まず知っておきたい前提

在職中に転職活動をすることは、法律に違反する行為ではありません。日本国憲法第22条第1項は、公共の福祉に反しない限り、職業選択の自由を保障しています。どの会社で働くかを自分で決めることは、労働者に認められた権利です。
ただし、勤務時間中に会社の設備を使って活動した場合は別です。職務専念義務や情報機器の使用ルールに違反する可能性があります。転職活動は勤務時間外に、自分の端末と回線で行うのが原則です。
転職活動を理由に解雇や不利益な扱いをすることはできない
転職活動をしていることだけを理由に労働者を解雇することは、原則として認められません。労働契約法第16条は、客観的に合理的な理由がなく社会通念上相当と認められない解雇は、権利濫用として無効になると定めています。
ただし、法律上は無効な扱いであっても、職場で気まずい思いをしたり、評価や担当業務に影響が出たりする可能性は残ります。不要なトラブルを避けるために、情報管理を徹底する意味があります。
在職中に活動するメリットは「収入が途切れないこと」
在職中に転職活動をする最大のメリットは、収入が途切れないことです。給与を受け取りながら活動できるため、経済的な焦りから条件の合わない会社に妥協するリスクを避けられます。時間の制約はありますが、納得できる求人が出るまで待てる点で在職中のほうが有利です。
転職活動が会社にバレる主な原因5つ

転職活動が会社にバレる主な原因は、転職サイトの公開設定、SNSや会社デバイスの利用履歴、急に増えた遅刻や有給休暇、職場での態度の変化、同僚への相談の5つです。いずれも本人が意図せず情報を出してしまうパターンです。
| バレる原因 | 情報が漏れる経路 | 主な対策 |
|---|---|---|
| 転職サイトの公開設定 | 企業のスカウト検索 | 現在の勤務先をブロック設定にする |
| SNS・会社デバイス | 投稿の閲覧、社内ネットワークの記録 | 私用端末のみを使い、活動に関する投稿はしない |
| 遅刻・早退・有給の増加 | 上司や同僚の目 | 面接を始業前・終業後に寄せ、有給はまとめて使う |
| 職場での態度の変化 | 上司や同僚の目 | 業務への取り組み方を変えない |
| 同僚への相談 | 口伝え | 職場と無関係の相手にだけ相談する |
原因1 転職サイトのプロフィールが公開設定のままになっている
転職サイトのプロフィールを公開設定のまま登録すると、現在の勤務先の採用担当者に見つかる可能性があります。スカウト機能とは、企業や人材紹介会社が求職者のプロフィールを検索し、選考の案内を送る仕組みです。
職種や経験年数で絞り込めるため、自分の勤務先がこの機能を使っていれば、自社の社員が検索結果に表示されることも起こり得ます。公開範囲の初期状態はサービスごとに異なるため、登録直後の確認が必要です。
原因2 SNSの投稿や会社デバイスの利用履歴から気づかれる
「転職活動中」と明記していなくても、SNSの投稿の傾向から周囲に気づかれることがあります。「新しいことに挑戦したい」といった投稿が続くと、同僚や上司が事情を推測するきっかけになります。
さらに注意が必要なのが、会社支給のパソコンやスマートフォンの利用です。会社によっては、情報セキュリティ対策として社内ネットワークの通信記録や端末の操作ログを保存しており、転職サイトへのアクセス履歴が管理部門から把握できる場合があります。社内Wi-Fiに接続した私用端末も、通信先が記録される可能性があります。
原因3 遅刻・早退・有給休暇の取得が急に増える
面接は平日の日中に設定されることが多いため、在職中は遅刻・早退・有給休暇で時間を作る必要が出てきます。普段あまり休まない人が急に休み始めると、上司や同僚が事情を推測しやすくなります。選考が複数社同時に進むほど不在は積み重なるため、スケジュールの立て方が対策になります。
原因4 職場での態度や仕事への向き合い方が変わる
転職活動を始めると、今の仕事への気持ちが変わり、行動に表れることがあります。残業を断るようになった、長期プロジェクトへの参加に消極的になった、といった変化です。こうした変化は、日々一緒に働いている人ほど気づきます。
原因5 信頼できると思った同僚に話してしまう
職場の同僚や先輩に転職の話をすることは、最もバレやすい行動のひとつです。「秘密にしてほしい」と伝えても、悪意なく別の人に伝わることがあります。
相談したいときは、職場と関係のない友人や家族、あるいは職業紹介の事業者に限定するのが基本です。有料職業紹介事業者は、職業安定法第51条により、業務上知り得た求職者の秘密を漏らしてはならないと定められています。
転職活動が会社にバレない5つの方法

在職中の転職活動を会社に知られずに進めるには、設定の見直し、応募経路の一本化、会社設備の不使用、面接当日の準備、リファレンスチェックの事前確認の5つを実行します。
方法1 転職サイトとSNSの公開設定を登録直後に見直す
転職サイトに登録したら、その日のうちにプロフィールの公開範囲を設定してください。多くの転職サイトには、指定した企業に自分の情報を表示しないブロック機能があります。リクナビNEXTやdodaなど主要サービスも同様です。
設定項目の名称はサービスによって異なりますが、「プライバシー設定」「公開設定」「企業ブロック」といったメニューにまとまっていることが一般的です。現在の勤務先の社名を登録して非表示にし、取引先やグループ会社も登録できるか確認してください。勤務先名を書かず「従業員300名規模のIT企業」のように業種と規模で表す方法もあります。
SNSについては、転職活動に関する投稿を一切しないことが最も確実です。鍵アカウントでも、画面を保存されて共有される可能性は残ります。LinkedInには転職意欲を示す表示機能があり、公開範囲を全体にするか採用担当者に限定するかを選べます。勤務先の社員とつながっている場合は、範囲を限定するか機能を使わないでください。
方法2 転職エージェント経由で応募して情報の流れを1本にする
転職エージェントを使うと、自分で企業に直接連絡する回数が減り、情報が漏れる経路を減らせます。応募書類の提出や日程調整を仲介してもらえるため、企業と直接やり取りするのは面接の場が中心になります。
登録の際は、最初に「現職の社名を応募先に伝えないでほしい」「現職への連絡は控えてほしい」と伝えておいてください。在職中の求職者への配慮は一般的な要望なので、対応してもらえるのが通常です。
ただし、エージェントを使えばリスクがゼロになるわけではありません。応募先が現職の取引先である可能性は残るため、候補を提示された段階で避けたい企業名を伝えておくと安全です。対応の質はサービスによって変わるため、「転職エージェントおすすめ7選」も参考にしてください。
方法3 会社のパソコン・メール・Wi-Fi・プリンターを使わない
会社の設備を転職活動に使うことは避けてください。記録が残るうえ、社内ルール違反として指摘されるリスクもあります。避けるべき行動は次のとおりです。
- 会社のパソコンやスマートフォンで転職サイトにアクセスする
- 会社のメールアドレスで応募や企業とのやり取りをする
- 会社のプリンターや複合機で職務経歴書を印刷する
- 応募書類の連絡先に会社の電話番号を記載する
- 社内Wi-Fiに接続した状態で転職サイトを閲覧する
連絡先は、プライベートのメールアドレスと携帯電話番号を使います。日中の着信に対応できるよう、留守番電話の設定も確認しておくと安心です。
方法4 面接当日の服装と持ち物を職場から切り離す
面接当日にスーツで出社したり、普段と違う持ち物を持って行ったりすると、周囲が気づくきっかけになります。着替える場所を先に決めておけば避けられます。
駅や商業施設のコインロッカーにスーツを預けておく、会場の近くで着替えられる場所を確認しておく、といった準備が有効です。応募書類を入れた封筒も職場に持ち込まないほうが確実です。服装の指定が「私服可」であれば通勤着のまま向かえる場合もあるため、日程を組む段階で確認しておきます。
方法5 リファレンスチェックの有無を事前に確認しておく
リファレンスチェックとは、応募者の元上司や元同僚に連絡を取り、働きぶりや人物像を確認する採用手法です。選考の終盤や内定前後に実施され、現職の上司や同僚を推薦者に指定するよう求められると転職活動が現職に伝わります。
誰を推薦者にするかは応募者が指定するのが通常なので、前職の関係者を挙げる、現職の人を挙げられない事情を説明する、という選択ができます。個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)第27条により、本人の同意なく個人データを第三者へ提供することは原則として認められません。選考の説明を受けた段階で実施の有無を確認しておくと安心です。
面接日程と有給休暇の使い方で失敗しないコツ

面接日程と有給休暇で気をつけるべきことは、休む回数を増やさないことと、休む理由を作り込みすぎないことです。急に休みが増えると周囲の関心を引くため、日程の組み方で回数を減らします。面接の時間帯は、在職中であることを伝えれば応募先が調整に応じる場合があります。
| 時間帯 | 使いやすい場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 始業前(早朝) | 出社前に済ませたいとき | 面接が長引くと出社時刻に影響する |
| 昼休み | 職場から近い企業のとき | 移動時間を含めて往復できるか確認する |
| 終業後(夕方以降) | 定時で退社できる日 | 残業が発生しやすい曜日は避ける |
| 有給休暇 | 複数社をまとめて受ける日 | 取得回数が増えないよう1日に集約する |
有給休暇はまとめて使い、理由は「私用のため」で足りる
有給休暇は、小刻みに何度も取るより、1日に複数の面接をまとめるほうが目立ちません。午前に1社、午後に1社という組み方をすれば、取得回数を抑えられます。
有給休暇の取得理由を詳しく説明する義務はありません。年次有給休暇は労働基準法第39条に定められた労働者の権利であり、取得目的によって使用者が可否を判断するものではないためです。申請書の理由欄は「私用のため」で問題ありません。細かい説明を重ねるほど、後で辻褄が合わなくなります。
ただし、使用者には同条第5項により時季変更権が認められています。事業の正常な運営を妨げる場合に限り、取得時季の変更を求められるという内容です。繁忙期を避けて申請するほうが安全です。有給消化の進め方は「転職前の有給消化ガイド」でも解説しています。
日程変更やキャンセルは決まった時点ですぐ連絡する
在職中は、急な業務で面接に行けなくなることがあります。その場合は、分かった時点ですぐに応募先またはエージェントへ連絡してください。無断で欠席すると選考に影響します。「在職中のため業務の都合で伺えなくなった」と正直に伝えれば、日程を再調整してもらえることが一般的です。
テレワークの日とオンライン面接を組み合わせる
テレワークの日は移動時間が不要なため、就業前後の面接を入れやすくなります。ただし、勤務時間中に業務を中断して面接を受けることは避けてください。職務専念義務に反するうえ、会議の予定などから発覚する可能性もあります。オンライン面接の場所は、自宅の個室や駅周辺の個室ブースなどから選びます。
住民税や社会保険の手続きで在職中にバレることはあるか

住民税や社会保険の手続きによって、在職中の転職活動が現在の会社に伝わることはありません。これらの手続きは、いずれも退職日以降に発生するためです。
住民税は、前年の所得に基づいて課税され、給与から天引きされる特別徴収という方法で納めるのが原則です(地方税法第321条の3ほか)。天引きの手続きは現在の勤務先が行っており、転職先が決まっただけの段階では給与の支払者が変わらないため、徴収方法に変化は生じません。切り替えが発生するのは退職後です。
健康保険と厚生年金保険の資格喪失手続きは、退職によって被保険者でなくなったときに事業主が日本年金機構へ届け出るものです。雇用保険の離職票の発行も退職後です。転職先が決まっていることが現在の会社へ自動的に通知される仕組みは存在しません。退職前後の手続きは「転職・退職手続きの流れ7ステップ」で確認できます。
転職活動が会社にバレてしまったときの対処法
転職活動が会社に知られてしまった場合は、状況を把握し、確定していないことは断定せず、内定が出るまで退職を口にしない、という順で対応します。慌てて動くと選択肢が減ります。
まず「誰にどこまで伝わったか」を把握する
最初にすることは状況の確認です。噂として広まっている段階と、上司から直接確認された段階では、取るべき対応が変わります。確認すべき点は次の3つです。
- 誰が知っているか(同僚か、直属の上司か、人事部門か)
- どこまで知られているか(活動していること、応募先の社名、内定の有無)
- どの経路で伝わったか
情報の範囲が分かれば、どこまで話すべきかを判断できます。相手が知らないことまで自分から説明しないよう注意してください。
上司に直接聞かれたときの答え方
上司から直接尋ねられた場合、嘘で全面否定することは避けたほうが安全です。後から事実が判明すると、信頼関係の回復が難しくなります。一方で、すべてを話す必要もありません。「今後のキャリアについて考えている段階です」という伝え方であれば、事実に反しておらず、決定事項として受け取られることもありません。
理由を聞かれたときは、現在の会社への不満を挙げるより、「取り組みたい分野がある」「専門性を高めたい」といった自分の目的を軸に説明するほうが、その後の関係を保ちやすくなります。正式に退職を伝える段階の進め方は「転職の退職を上司に伝える方法7選」で解説しています。
内定が出る前に退職を口にしない
内定を得ていない段階で「辞めます」と伝えることは避けてください。退職の意思を伝えた後に転職先が決まらないと、非常に不利になります。上司から結論を求められても「まだ何も決まっていません」と答えて問題ありません。退職の意思を正式に伝えるのは、内定を承諾した後で足ります。
退職日まで仕事の質を落とさない
転職活動を知られた後こそ、仕事への取り組み方を変えないことが重要です。同じ業界内で転職する場合、前職での評価が新しい職場に伝わることもあります。同僚への報告は、退職日が正式に決まってから行うのが基本です。活動中に個別に話すと、業務の引き継ぎに混乱が生じます。
在職中の転職活動に不安があるときは無料の転職相談へ
在職中の転職活動は、情報管理と日程調整を1人で抱え込むと負担が大きくなります。判断に迷う場面では、第三者に相談することで整理できることが多くあります。
UNLITD CAREERを運営する株式会社アンリット(有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-319937)では、無料の転職相談を受け付けています。転職するかどうかを決めていない段階でも、状況を整理するところから相談できます。面接日程をどう組むか、応募先に現職への配慮をどこまで求められるか、今動くべきかどうか。こうした疑問がある方は、一度ご相談ください。
まとめ|在職中の転職活動を安全に進める5つのポイント
在職中の転職活動を安全に進めるためのポイントは、次の5つです。
- 転職サイトに登録した直後に、現在の勤務先をブロックする設定を行う
- 転職に関する調査・応募・連絡は、すべて私用の端末と回線で行う
- 面接は始業前・終業後に寄せ、有給休暇はまとめて使って取得回数を抑える
- 職場での仕事への取り組み方は、転職活動前と変えない
- 相談する相手は、職場と無関係の人か守秘義務のある事業者に限定する
共通しているのは、情報の出口を減らすことと、日常の行動を変えないことです。在職中の転職活動には収入が途切れない利点があります。準備を整えたうえで、落ち着いて進めていってください。
在職中の転職活動に関するよくある質問
在職中に転職活動をするのは違法ですか
違法ではありません。日本国憲法第22条第1項が職業選択の自由を保障しており、勤務時間外に他社の選考を受けることは労働者の権利の範囲内です。ただし勤務時間中に会社の設備を使うことは、職務専念義務や社内ルールに抵触する可能性があります。
転職活動が会社にバレたら解雇されますか
転職活動をしていることだけを理由とした解雇は、原則として認められません。労働契約法第16条により、客観的に合理的な理由がなく社会通念上相当と認められない解雇は、権利濫用として無効となります。ただし、職場での関係が変化する可能性はあるため、情報管理は必要です。
有給休暇の理由を「面接のため」と伝える必要はありますか
必要ありません。年次有給休暇は労働基準法第39条に定められた権利で、取得理由を詳しく説明する義務はありません。申請書の理由欄は「私用のため」で足ります。ただし同条第5項により、事業の正常な運営を妨げる場合は使用者が時季変更を求められるため、繁忙期を避けると調整しやすくなります。
転職サイトに登録すると今の会社に通知されますか
転職サイトへの登録が現在の勤務先に自動で通知されることはありません。ただしプロフィールを公開設定にしていると、勤務先がスカウト機能を使っている場合に検索結果へ表示される可能性があります。登録直後に企業ブロック機能で勤務先を指定してください。
応募先の企業から現在の会社に連絡が入ることはありますか
通常はありません。ただしリファレンスチェック(応募者の元上司や元同僚への人物確認)を実施する企業では、推薦者として現職の関係者を挙げるよう求められることがあります。誰を推薦者にするかは応募者が指定できるため、現職の人を挙げる必要はありません。
住民税や社会保険の手続きで在職中にバレますか
在職中にバレることはありません。住民税の特別徴収の切り替え(地方税法第321条の3ほか)も、健康保険・厚生年金保険の資格喪失届も、退職して初めて手続きが発生します。内定を受け取った時点では、現在の会社側で発生する手続きはありません。
転職活動を同僚に相談してもいいですか
避けたほうが安全です。「秘密にしてほしい」と伝えても、悪意なく別の人へ伝わることがあります。相談は職場と関係のない友人や家族、または職業紹介の事業者を選んでください。有料職業紹介事業者には、職業安定法第51条により求職者の秘密を守る義務が課されています。
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